「鮎釣りに行ってみたいけれど、いつ竿を出せばいいのか分からない」——岐阜の川を眺めながら、そう思ったことはありませんか。じつは鮎釣りの時期は「全国一律で6月から」ではありません。同じ岐阜県内でも、いちばん早い長良川漁協が5月11日、いちばん遅い高原川漁協が6月27日と、解禁日には1か月半以上の開きがあります。
結論から言うと、鮎釣りのシーズンは5月中旬に幕を開け、7月上旬から8月いっぱいが最盛期、9月に大鮎シーズンを迎えて、河川によって10月下旬から12月31日に終漁という流れです。そして「どの川に、何月に行くか」で釣れる鮎のサイズも難易度もまったく変わります。10cmの若鮎を数釣りしたいのか、25cm超の大鮎と一発勝負をしたいのかで、選ぶべき時期は正反対になるのです。
この記事では、鮎という魚の一年の暮らしから月別のベストシーズン、岐阜8河川の2026年解禁日と遊漁料の比較、遊漁券の買い方、増水時の注意点まで、岐阜の清流を通い慣れた案内人の目線でまとめました。読み終えるころには「今週末、どの川へ行くか」が決まっているはずです。
- 鮎釣りの時期は「解禁5月〜終漁12月」で、川ごとに1か月半の差があること
- 6月・7月・8月・9月で釣れる鮎のサイズと難易度がどう変わるか
- 岐阜8河川(長良川・和良川・郡上・板取川・馬瀬川・宮川・高原川)の2026年解禁日と遊漁料
- 遊漁券の買い方、オトリ鮎の入手、増水時に引き返す判断基準
鮎釣りの時期はいつからいつまで?|解禁は5月、終漁は12月31日まで

鮎釣りには「漁期」という決まった期間があります。川ごとに漁業協同組合が定めており、それ以外の期間に鮎を狙うことはできません。まずはこの大枠を押さえておくと、以降の話がすっと入ってきます。
岐阜でいちばん早い解禁は5月11日|遅い川とは1か月半の差
2026年シーズンの岐阜県内でもっとも早く解禁したのは、岐阜市を流れる長良川下流域を管轄する長良川漁業協同組合で、5月11日(月)でした。次いで和良川漁協が5月23日(土)・24日(日)の特別解禁、5月31日(日)の一般解禁。6月1日(月)に郡上漁協と長良川中央漁協、6月6日(土)に板取川上流漁協、6月13日(土)に馬瀬川上流漁協と続き、飛騨に入ると6月24日(水)の宮川下流漁協、6月27日(土)の高原川漁協が最後尾です。長良川漁協と高原川漁協の間には47日、実に1か月半以上の開きがあります。
この差は「岐阜のどこへ行くか」を決める材料になります。5月中に竿を出したいなら選択肢は岐阜市周辺と和良川の2択。6月上旬なら郡上・美濃・板取エリアが加わり、6月下旬にようやく飛騨エリアが開きます。ゴールデンウィーク明けから川に立ちたい人は、東海北陸自動車道の岐阜各務原ICから長良川左岸へ向かうのが現実的な選択です。
注意したいのは、解禁日が毎年同じ日付とは限らないことです。土曜日に合わせる漁協もあれば、遡上状況を見て日付を動かす漁協もあります。前年の日付をそのまま信じて出かけると空振りになりかねないので、遠征前には必ずその年の公示を確認してください。
終漁日は10月25日から12月31日まで|川によってこんなに違う
解禁日ばかりが話題になりますが、終漁日も川ごとに違います。郡上漁協・長良川中央漁協・板取川上流漁協はいずれもアユの漁期を「解禁日〜12月31日」としており、暦の上では年末まで竿を出せる建て付けです。一方、飛騨の高原川漁協はアユの漁期を「公示日〜10月25日」と定めており、2か月以上早く扉が閉まります。
とはいえ、12月31日まで漁期があるからといって12月に鮎が釣れるわけではありません。鮎は秋に産卵して一生を終える魚なので、実質的な釣りの終わりは9月下旬から10月中旬。そこから先は「漁期としては残っているが対象魚がいない」状態になります。終漁日は「いつまで釣れるか」ではなく「いつまで川に入る権利があるか」を示す数字だと理解しておくと、勘違いをせずに済みます。
ちなみに高原川漁協では、友釣りは公示日から、毛鉤・餌釣りは8月20日からと漁法ごとに解禁日が分かれています。同じ川でも「何で釣るか」によって入れる日が違うわけで、遊漁規則を読まずに川に立つのは避けたいところです。
なぜ解禁日が川ごとに違う?|遡上と水温と資源保護の三すくみ
解禁日を決めているのは漁業協同組合です。鮎は海で冬を越し、春に川を遡上して成長する魚なので、標高が低く海に近い下流域ほど鮎が早く育ちます。長良川下流の岐阜市周辺が5月11日、標高の高い飛騨の高原川が6月27日という順番は、そのまま鮎の成長スピードの順番でもあります。
もうひとつの要因が資源保護です。育ちきっていない小さな鮎を早くから釣ってしまうと、その年の釣果もその後の資源も痩せてしまいます。和良川漁協が5月23日・24日に「特別解禁」を設けながら、5月25日から30日までを再び禁漁とし、5月31日に一般解禁する二段構えを取っているのは、地元の楽しみと資源保護を両立させるための工夫です。この6日間の禁漁期間を知らずに川へ行くと、目の前に鮎がいるのに竿を出せません。
漁業権の設定や漁場の範囲は岐阜県公式サイトの「岐阜県の漁業権」ページに圏域別・水系別の漁場図が公開されています。どこからどこまでがどの漁協の管轄かを事前に確認しておくと、券を買う先を間違えずに済みます。
「6月なら全国どこでも釣れる」と思い込んだ失敗
鮎釣りデビューでいちばん多い失敗が、解禁日の思い込みです。「鮎は6月解禁」という一般論だけを頼りに6月上旬に飛騨市へ向かい、宮川も高原川もまだ解禁前で竿を出せなかった——という空振りは珍しくありません。飛騨エリアの解禁は6月下旬、下呂の馬瀬川上流でも6月13日です。名古屋から高山まで車で片道2時間半、そこからさらに神岡まで40分走った先で「解禁は来週です」と言われる徒労は、避けたいものです。
原因は「鮎釣りの時期=全国共通」という誤解にあります。対策はシンプルで、行き先を決めてから日付を決めるのではなく、日付に合う川を選ぶこと。5月なら長良川下流と和良川、6月上旬なら郡上・美濃・板取、6月下旬以降なら飛騨、と頭に入れておけば空振りは起きません。
もうひとつ、漁期外や禁漁区での釣りは密漁にあたります。悪意がなくても違反は違反で、漁協の監視員に指摘されれば釣りを中止することになります。「知らなかった」で通らないのが川のルールです。
解禁日・終漁日・禁漁区・使ってよい漁法は、すべて漁協ごとの遊漁規則で決まっています。他県や隣の川のルールがそのまま通用することはありません。初めて入る川では、遊漁券を買うときに「禁漁区はどこですか」と一言確認するのが確実です。
1年で一生を終える魚だから|季節ごとに姿が変わる鮎の暮らし
鮎釣りの時期がこれほど細かく区切られている理由は、鮎という魚の一生にあります。鮎は「年魚」と呼ばれ、生まれてから死ぬまでがきっちり1年。その1年のどこを釣るかで、狙い方も釣れるサイズもまったく変わります。
春の遡上|海から川へ、10cmに満たない若鮎が上ってくる
鮎は秋に川の下流域で産卵し、孵化した仔魚はそのまま海(または湖)へ下って冬を越します。春になると体長5〜6cmほどに育った稚鮎が群れをなして川を遡上し、上流を目指して泳ぎ上がっていきます。長良川の場合、河口から166km上流の郡上まで鮎が上る道筋が残されており、これが世界農業遺産の評価につながりました。
遡上したばかりの鮎は体つきもほっそりしていて、川底の石に付いた藻類(コケ)を食べながら日ごとに大きくなります。解禁日が河川ごとに違うのは、この遡上と成長のタイミングを漁協が見極めているからです。「今年は遡上が多い」という年は解禁直後から数が出やすく、地元の釣具店やオトリ店の話題も明るくなります。
春先の川辺を歩くと、浅瀬に小さな魚影がちらちらと動いているのが見えることがあります。あれが遡上中の稚鮎です。この時期はまだ漁期外なので手は出せませんが、「今年はよく上っているな」と目で確認しておくと、解禁後の釣り場選びの材料になります。
夏の縄張り|友釣りという日本独特の釣りが成立する理由
鮎釣りの主役である「友釣り」は、鮎が持つ縄張り意識を利用した釣り方です。良質なコケが生えた石を見つけた鮎は、そこを自分の食事場所として占有し、侵入してきた他の鮎を体当たりで追い払います。この習性を利用し、生きたオトリ鮎に掛け針を付けて縄張りへ送り込み、体当たりしてきた野鮎を掛ける——これが友釣りの仕組みです。
つまり友釣りが成立するのは、鮎が縄張りを張るくらい元気で、川底のコケが十分に育っている時期に限られます。強い日差しと適度な降水があってコケが良く育つ7月から8月にかけて、鮎の追いはもっとも激しくなります。竿先に伝わる「ガツン」という衝撃は、この時期ならではのものです。
逆に、水温が低くコケが育っていない解禁直後や、産卵を意識し始めた9月下旬以降は、鮎が縄張りを張らずに群れで泳ぐ「群れ鮎」の状態になります。この状態の鮎は友釣りでは掛かりにくく、初心者ほど苦戦します。「解禁日がいちばん釣れる」というイメージは、実は必ずしも正しくないのです。
秋の落ち鮎|錆びをまとって産卵へ向かう最後の姿
9月に入ると、鮎の体に「錆び」と呼ばれる黒っぽい婚姻色が浮かびます。これは産卵準備のサインで、鮎は縄張りを解いて群れ、産卵場のある下流域へと下り始めます。この時期の鮎を「落ち鮎」「錆び鮎」と呼びます。
落ち鮎は縄張り意識が薄れるため友釣りの難易度は上がりますが、サイズは一年でもっとも大きくなり、25cmを超える個体も出ます。腹に子を持った落ち鮎は塩焼きにすると格別で、岐阜の川沿いではこの時期に「ヤナ」を組んで下る鮎を捕らえる伝統漁が行われます。産卵を終えた鮎はそのまま息絶えて流下し、一年の生涯を閉じます。
この生態を知っていると、「なぜ終漁が10月から12月なのか」も腑に落ちます。産卵期の鮎を守るために禁漁区や禁漁期間を設ける河川もあり、10月以降の釣りは可能な場所が限られます。秋に岐阜へ行くなら、竿を出すより鮎料理を味わう旅に切り替えるほうが満足度は高いかもしれません。

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世界農業遺産「清流長良川の鮎」|川と人の関係が評価された
2015年12月15日、長良川上中流域の「清流長良川の鮎〜里川における人と鮎のつながり〜」がFAO(国連食糧農業機関)により世界農業遺産(GIAHS)に認定されました。評価されたのは鮎そのものだけでなく、水を育む源流の森、鮎を守り続けてきた漁業の仕組み、そして流域で暮らす人々の伝統文化を含めた「長良川システム」全体です。
長良川は流域におよそ86万人が暮らし、市街地を貫きながら清流を保っている、世界的にも珍しい川です。日本三大清流のひとつに数えられ、岐阜県北部の山地から南へ166km流れて伊勢湾に注ぎます。都市の中を流れる川で天然遡上の鮎が育つという事実は、漁協による稚魚放流や産卵場の整備、流域住民の水質保全といった地道な積み重ねの結果です。
釣り人が支払う遊漁料も、この仕組みを支える一部です。年券14,000円という金額を「高い」と感じる人もいますが、その原資が稚魚放流や河川清掃、密漁監視に使われていると知れば見方は変わるはずです。詳しい背景は世界農業遺産「清流長良川の鮎」公式サイトで読むことができます。
📜 歴史メモ
鮎の味を競う「清流めぐり利き鮎会」(高知友釣連盟主催)では、岐阜の川が繰り返し頂点に立っています。郡上市和良町の和良鮎は第5回・第12回・第17回・第22回と4度のグランプリを獲得し、全国初の快挙となりました。2025年9月19日に開催された第26回大会では、全国57河川が参加するなかで飛騨の高原川がグランプリに輝いています。鮎の味は川の水質と川底のコケの質で決まる——という言葉を、岐阜の川が実績で証明しているわけです。
月別カレンダーで見る釣れるサイズ|6月・7月・8月・9月はこう違う

同じ川でも、6月の鮎と9月の鮎はまるで別の魚です。狙う月によってサイズも難易度も変わるので、自分の目的に合った月を選ぶことが釣果への近道になります。
6月:10〜15cmの若鮎シーズン|数は出るが小型中心
解禁直後の6月は、鮎のサイズが10〜15cm程度と小ぶりです。まだ縄張り意識が弱く群れで泳いでいる個体が多いため、友釣りとしては掛かりにくい一方、群れに当たれば数が出ることもあります。雪代や梅雨の影響で水量が多く、鮎は流れの緩いヘチ(岸際)や浅瀬に寄りやすい傾向があります。
この時期に向くのは「とにかく一度、解禁の空気を味わってみたい」という人です。解禁日の川は地元の常連が朝から並び、独特の高揚感があります。ただし人気河川の解禁日は場所取りが激しく、朝5時前には主要ポイントが埋まることも珍しくありません。初心者が入り込む隙間は少ないと考えておいたほうがいいでしょう。
注意点は水温です。6月の岐阜の川、とくに飛騨エリアは水が冷たく、ウェットタイツだけでは長時間立ち込むと体が冷えます。水量も安定せず、雨が降れば一気に増水します。天気予報だけでなく、上流のダム放流情報も併せて確認しておきたい時期です。
7月:梅雨明けからが本番|20cm前後の食べごろサイズに
梅雨が明ける7月上旬から、鮎釣りは本格的な盛期に入ります。強い日差しで川底のコケが良質に育ち、それを食べた鮎は20cm前後まで成長。縄張り意識も強くなり、オトリを送り込めば激しく追ってくるようになります。「釣って楽しく、食べておいしい」バランスがもっとも良いのがこの時期です。
初心者が最初の1匹を掛けるなら、7月中旬から下旬の平日が狙い目です。休日は人が多く、良いポイントは早い者勝ちになりますが、平日なら川幅の広い長良川中流域あたりでゆったり竿を振れます。オトリ店で「今どのあたりが出ていますか」と聞けば、その日の状況を教えてもらえるのもこの時期の川の良さです。
デメリットは暑さです。7月下旬の岐阜市周辺は日中35℃を超える日もあり、水に立ち込んでいても熱中症の危険があります。日中の3〜4時間は避け、朝5時〜9時と夕方16時以降に集中して釣るのが体にもやさしく、鮎の活性も高い時間帯です。飲料水と塩分、帽子は必携です。
8月:追いのピーク|数釣りを狙うならこの一か月
お盆前後までが、一年でもっとも鮎の追いが激しい期間です。水温が安定し、コケも十分に育ち、鮎の縄張り意識は最高潮。オトリを縄張りに送り込めば数秒で反応が出ることもあり、慣れた人なら1日で20匹、30匹という数字も見えてきます。竿を持つ手に伝わる衝撃の連続は、この時期ならではの醍醐味です。
初めて友釣りに挑戦する人にも、8月はおすすめできます。鮎が積極的に追ってくるぶん、多少オトリの操作が拙くても掛かってくれるからです。逆に言えば、9月以降に始めた初心者が「一日やって0匹」で心を折られるケースは少なくありません。デビューは8月、というのは理にかなった選択です。
注意すべきは夏の夕立とダム放流です。上流で雷雨があると、晴れている下流でも30分後に一気に水が増えます。水の色が濁ってきた、流木や落ち葉が流れ始めた、というサインが出たらすぐに岸へ上がってください。また、お盆期間は帰省客も加わって人が増えるため、駐車スペースの確保は早朝が鉄則です。
9月:25cm超の大鮎シーズン|難しいがロマンがある
9月に入ると鮎は産卵準備に向かい、体は一年でもっとも大きくなります。25cmを超える尺近い個体が出るのはこの時期だけ。錆びが浮いた大鮎が掛かったときの引きは、7月の20cmクラスとは別次元の重さです。ベテランが一年でこの一か月をもっとも楽しみにしている、という話もよく聞きます。
一方で難易度は跳ね上がります。縄張りを解いて群れ始めた鮎は追いが鈍く、掛かるまでの時間が長くなります。仕掛けも太くしないと大鮎の引きに耐えられず、道具立てから見直す必要があります。「9月は上級者の月」と言われるゆえんです。
また、産卵保護のため9月下旬から禁漁区を設けたり、漁法を制限したりする河川もあります。高原川漁協のようにアユの漁期を10月25日で締める川もあれば、12月31日まで漁期が残る川もあります。9月以降に遠征するなら、事前に漁協へ電話して「今どのあたりが釣れていますか」「禁漁区の設定はありますか」の2点を確認しておくと確実です。
| 時期 | 鮎のサイズ目安 | 追いの強さ | 初心者向き |
|---|---|---|---|
| 6月(解禁直後) | 10〜15cm | △(群れ鮎中心) | △ |
| 7月(盛期入り) | 18〜20cm前後 | ○ | ○ |
| 8月(最盛期) | 20cm前後 | ◎(もっとも激しい) | ◎ |
| 9月(大鮎期) | 25cm超も | ×(産卵準備で鈍る) | × |
長良川水系はどこで竿を出す?|4漁協の解禁日と遊漁料をくらべる
岐阜の鮎といえば長良川。ただし一口に長良川と言っても、下流から上流まで複数の漁協が管轄を分け合っています。券は漁協ごとに別売りなので、どこで釣るかを決めてから買うのが基本です。
長良川漁協(岐阜市)|5月11日、県内最速の解禁
岐阜市周辺の長良川下流域を管轄するのが長良川漁業協同組合です。2026年の解禁は5月11日(月)と県内最速。アユ年券8,000円、日券2,000円という料金も県内でもっとも手ごろで、「まずは鮎釣りがどんなものか試したい」という人の入口として使いやすい漁協です。
この管内のもうひとつの特徴が、リールを使ったアユルアーフィッシング(アユイング)が解禁されていること。友釣りはオトリ鮎の入手と管理が必要でハードルが高いのですが、ルアーならバス釣りやトラウトの道具立てに近い感覚で始められます。岐阜県内でアユイングができる河川は限られており、その意味でも貴重な存在です。
アクセスは東海北陸自動車道の岐阜各務原ICから河川敷まで15分前後。名古屋方面から日帰りで通える距離で、金華山や長良川鵜飼の舞台も近く、釣りのあとに観光を足せるのも岐阜市ならではです。ただし市街地に近いぶん人も多く、休日の好ポイントは早朝から埋まります。河川敷の駐車スペースは無料区画が多いものの台数に限りがあるため、6時前の到着を目安にしてください。
| 住所 | 〒502-0913 岐阜県岐阜市東島1丁目5番1号 |
| 電話番号 | 058-295-3878 |
| 2026年解禁日 | 5月11日(月) |
| アユ遊漁料 | 年券8,000円/日券2,000円 |
| おもな漁場 | 長良川下流域(岐阜市周辺) |
和良川漁協|5月23日の特別解禁と、日本一に4度輝いた和良鮎
郡上市和良町を流れる和良川は、規模こそ長良川本流に及びませんが、鮎の味では全国屈指の評価を受けている川です。清流めぐり利き鮎会で第5回・第12回・第17回・第22回と4度のグランプリを獲得し、複数回受賞は全国でも初の快挙でした。源流部の温暖な環境で鮎の餌となる良質な藻類が育つことが、香りの強い鮎を生むと説明されています。
2026年は5月23日(土)・24日(日)の2日間に特別解禁を設け、5月25日から30日までを禁漁としたうえで、5月31日(日)に一般解禁という日程でした。この「中6日の禁漁」を知らずに出かけると川に入れないので、和良川を狙うなら日程確認は必須です。遊漁料はアユ年券13,000円、日券3,000円。心身障がい者・女性は年券12,500円、日券2,500円に減額され、高校生以下は無料です。
和良川はルアー釣りにも一部対応していますが、対象は支流の鹿倉川限定。本流でのルアー使用はできません。川幅が狭く水がきわめて澄んでいるため、足音や影で鮎が散りやすく、そっと近づく丁寧さが求められます。郡上八幡ICから車で約30分、山あいの静かな里を流れる川で、混雑を避けたい人には相性の良いフィールドです。受賞の詳細は郡上市公式サイトの発表で確認できます。
| 住所 | 〒501-4517 岐阜県郡上市和良町沢882番地 和良振興事務所内 |
| 電話番号 | 0575-77-2271 |
| 2026年解禁日 | 特別解禁5月23日(土)・24日(日)/一般解禁5月31日(日) |
| アユ遊漁料 | 年券13,000円/日券3,000円(高校生以下無料) |
| 公式サイト | 和良川漁協 公式サイト |
郡上漁協|6月1日解禁、長良川・吉田川・亀尾島川の3本立て
郡上八幡を中心としたエリアを管轄する郡上漁業協同組合は、鮎釣りファンにとって岐阜の代名詞ともいえる存在です。管轄河川は長良川本流のほか、郡上おどりで知られる城下町を流れる吉田川、そして亀尾島川。2026年の解禁は6月1日(月)でした。郡上鮎は平成20年の全国清流めぐり利き鮎大会でグランプリを獲得しています。
遊漁料はアユ年券14,000円、日券3,000円。県内では高めの部類ですが、それだけ資源管理に力が入っている川ということでもあります。満25才未満は無料という制度があり、若い世代を川に呼び込む姿勢が明確です。鮎釣り遊漁証の販売は毎年5月から始まり、組合事務所や市内外の遊漁証取扱店、オンラインのFISHPASS経由でも購入できます。アユの漁期は解禁日から12月31日までです。
郡上の川の魅力は、水の透明度と川底の石の白さにあります。吉田川に架かる新橋の上から覗き込むと、水深3m近い淵の底まで石が見えるほど。そのぶん鮎からもこちらが見えているわけで、丁寧なアプローチが要求されます。郡上八幡ICから市街地まで5分、川沿いに無料の駐車スペースが点在していますが、郡上おどりの開催期間(7月中旬〜9月上旬の週末を中心)は町なかが混雑するため、朝のうちに入って昼過ぎに引き上げる組み立てが快適です。
| 住所 | 〒501-4235 岐阜県郡上市八幡町有坂1238番地 |
| 電話番号 | 0575-65-2562 |
| 2026年解禁日 | 6月1日(月) |
| アユ遊漁料 | 年券14,000円/日券3,000円(満25才未満は無料) |
| おもな漁場 | 長良川(本流)・吉田川・亀尾島川 |
| 公式サイト | 郡上漁業協同組合 公式サイト |
長良川中央漁協|6月1日解禁、4河川を1枚の券でまわれる
美濃市に事務所を置く長良川中央漁業協同組合は、長良川中流域に加えて板取川・武儀川・津保川という4河川を管轄しています。1枚の遊漁券で複数の川を選べるため、「今日は本流が高いから支流へ」といった機動的な釣りができるのが最大の利点です。2026年の解禁は6月1日(月)でした。
遊漁料はアユ年券11,000円、日券3,000円。心身障害者・75歳以上・女性は年券8,000円、日券2,000円に減額されます。アユの漁期は解禁日から12月31日まで。郡上より1段安く、長良川漁協より川の選択肢が多いという、バランスの良いポジションです。
長良川中流域は川幅が広く、瀬と淵がリズミカルに続く典型的な鮎の好フィールドです。初めて友釣りをする人でも立ち込みやすい浅い瀬が多く、練習の場としても向いています。東海北陸自動車道の美濃ICから川まで10分ほど。川沿いには「うだつの上がる町並み」で知られる美濃市街もあり、釣りのあとに和紙の町を歩く旅程が組めます。

東海北陸自動車道を富山方面へ走っていると、長良川の清流沿いにふっと現れるのが「道の駅美濃にわか茶屋」です。美濃ICを降りてわずか5分。トイレ休憩のつもりで立ち寄…
| 住所 | 岐阜県美濃市曾代1-3 |
| 電話番号 | 0575-33-1203 |
| 2026年解禁日 | 6月1日(月) |
| アユ遊漁料 | 年券11,000円/日券3,000円 |
| おもな漁場 | 長良川中流域・板取川・武儀川・津保川 |
飛騨・奥美濃の清流はいつ開く?|遅い解禁が育てる大鮎の川
標高が上がるほど解禁は遅くなりますが、その分だけ水は冷たく澄み、鮎は締まった身になります。遊漁料が高い川ほど資源管理が厳しく、掛かる鮎の質も上がる——これが岐阜の山あいの川に共通する傾向です。
板取川上流漁協|6月6日解禁、モネの池で知られる清流
関市洞戸・板取地域を流れる板取川は、「モネの池」で全国的に有名になったエリアを含む清流です。板取川上流漁業協同組合の2026年解禁は6月6日(土)。漁場は寺屋谷川合流点より約300m下流地点から上流にあたります。
遊漁料はアユ年券15,000円、日券3,000円。高校生・身障者・80歳以上は年券7,500円、日券1,500円と半額に設定され、中学生以下は無料です。注意したいのは現場売りで、日釣り券を川で買うと3,000円が追加されて合計6,000円になります。事前に取扱店で買えば3,000円ですから、この差は大きい。鮎の漁期は解禁日から12月31日まで、アマゴ・イワナ・ニジマスは9月30日までと魚種で分かれています。
板取川は水の透明度が高く、川底の石が白く磨かれた美しい川です。ドライブ旅の途中に立ち寄るなら、釣りのあとにモネの池(名もなき池)や板取川温泉をセットにする組み立てが定番。東海北陸自動車道の美濃ICから板取方面へ40分ほどですが、山道が続くため夜間走行は慎重に。川沿いの駐車スペースは点在するものの数が少なく、休日は先客がいる前提で動いてください。
| 住所 | 〒501-2816 岐阜県関市洞戸大野840-5 |
| 電話番号 | 0581-58-2134 |
| 2026年解禁日 | 6月6日(土) |
| アユ遊漁料 | 年券15,000円/日券3,000円(現場売りは+3,000円) |
| 公式サイト | 板取川上流漁協 公式サイト |
馬瀬川上流漁協|6月13日解禁、「鮎釣りのメッカ」を名乗る川
下呂市馬瀬を流れる馬瀬川上流は、平成の名水百選に選ばれた清流です。漁協自らが「鮎釣りのメッカ・平成の名水百選」を掲げるほど鮎釣りに特化しており、シーズン中は県外ナンバーの車が川沿いに並びます。2026年の解禁は6月13日(土)でした。
遊漁料はアユ年券16,000円、日券3,000円。年券の額は県内でも上位で、それだけ通う価値のある川だと評価されている裏返しです。馬瀬川は岩井谷ダムより上流の区間が漁場で、瀬の流れが速く、掛かった鮎の引きが強いことで知られています。
馬瀬エリアは下呂温泉から車で30分ほど。中央自動車道の中津川ICからは1時間20分前後、東海環状自動車道の富加関ICからでも1時間30分程度かかるため、日帰りよりも下呂温泉に1泊して朝夕の時合いを狙う組み立てが向いています。集落に商店が少ないので、飲料・食料は下呂市街で調達しておくと安心です。川沿いの道は狭く、対向車とのすれ違いに気を遣う区間があります。
| 住所 | 〒509-2612 岐阜県下呂市馬瀬名丸5-8 |
| 電話番号 | 0576-47-2434 |
| 2026年解禁日 | 6月13日(土) |
| アユ遊漁料 | 年券16,000円/日券3,000円 |
| 公式サイト | 馬瀬川上流漁協 公式サイト |
宮川下流漁協|6月24日解禁、日本海へ注ぐ飛騨の鮎
飛騨市宮川町を流れる宮川は、太平洋側へ流れる長良川とは正反対に、神通川となって日本海へ注ぐ川です。同じ岐阜県内でも水系がまったく異なり、鮎の系統も違います。宮川下流漁業協同組合の2026年解禁は6月24日(水)、遊漁料はアユ年券12,000円、日券2,500円でした。
この川の魅力は、飛騨の山あいを縫って流れる景観と、人の少なさです。長良川水系の人気ポイントのような場所取り合戦はほとんどなく、平日なら川を独り占めできる区間もあります。「釣果よりも静けさを味わいたい」という一人旅の釣り人には、これ以上ないフィールドでしょう。
アクセスは高山市街から国道41号を北上して約1時間、高山ICからだと1時間10分前後。JR高山本線の駅が川沿いに点在しており、電車釣行が成立する数少ない河川でもあります。ただし列車の本数が少なく、コンビニも限られるため、車での訪問が現実的です。飛騨市街から離れると携帯電話の電波が届きにくい区間があるので、単独釣行の際は行き先を家族に伝えておいてください。
| 住所 | 〒509-4404 岐阜県飛騨市宮川町巣之内25番地1 |
| 電話番号 | 0577-63-2139 |
| 2026年解禁日 | 6月24日(水) |
| アユ遊漁料 | 年券12,000円/日券2,500円 |
高原川漁協|6月27日解禁、2025年の利き鮎会グランプリ河川
県内で最後に解禁を迎えるのが、飛騨市神岡町を流れる高原川です。2026年の解禁は6月27日(土)。そして2025年9月19日に開催された第26回清流めぐり利き鮎会で、全国57河川が参加するなかグランプリに輝いた川でもあります。「最後に開く川が、日本一の味」というのは、岐阜の鮎を語るうえで外せないエピソードです。
遊漁料はアユ年券25,000円、日券3,500円と県内最高額。現場売りはさらに3,500円が加算されます。アユの漁期は公示日から10月25日までで、友釣りは公示日解禁、毛鉤・餌釣りは8月20日解禁と漁法で分けられています。この徹底した管理が、日本一と評される鮎の味を支えています。
高原川は北アルプスからの雪解け水を集める急流で、水温が低く流れが速いのが特徴です。そのぶん鮎の身が締まり、香りが立ちます。アクセスは中部縦貫自動車道・東海北陸自動車道経由で高山ICから神岡まで約50分、奥飛騨温泉郷からは30分ほど。釣りのあとに新穂高ロープウェイや平湯温泉へ足を延ばせるロケーションです。なお漁協事務所は土曜午後・日曜・祝祭日が休みで、10月から1月は土曜も完全休日となるため、券の購入は取扱店を頼るのが確実です。
| 住所 | 〒506-1161 岐阜県飛騨市神岡町船津2132番地23 |
| 電話番号 | 0578-82-2115 |
| 2026年解禁日 | 6月27日(土)/アユ漁期は10月25日まで |
| アユ遊漁料 | 年券25,000円/日券3,500円(現場売りは+3,500円) |
| 事務所休業日 | 日・祝祭日、土曜は12:00以降(10月〜1月は土曜も休日) |
| 公式サイト | 高原川漁業協同組合 公式サイト |
| 漁協名(河川) | 2026年解禁日 | アユ年券 | アユ日券 |
|---|---|---|---|
| 長良川漁協(長良川下流) | 5月11日 | 8,000円 | 2,000円 |
| 和良川漁協(和良川) | 5月31日(特別解禁5月23日) | 13,000円 | 3,000円 |
| 郡上漁協(長良川・吉田川) | 6月1日 | 14,000円 | 3,000円 |
| 長良川中央漁協(長良川中流ほか) | 6月1日 | 11,000円 | 3,000円 |
| 板取川上流漁協(板取川) | 6月6日 | 15,000円 | 3,000円 |
| 馬瀬川上流漁協(馬瀬川) | 6月13日 | 16,000円 | 3,000円 |
| 宮川下流漁協(宮川) | 6月24日 | 12,000円 | 2,500円 |
| 高原川漁協(高原川) | 6月27日 | 25,000円 | 3,500円 |
※ぎふ旅手帖調べ/2026年シーズンの各漁協公表情報にもとづく。年券は一般料金。減免制度は漁協ごとに異なります。
遊漁券なしで川に立ってはいけない|初めての一日に必要な準備
鮎釣りは、道具さえ揃えれば明日から始められる釣りではありません。券とオトリ、そして安全の3点を押さえておかないと、川に立つ前につまずきます。
遊漁券は必ず「川に入る前」に買う|現場売りは倍額になる
河川で釣りをするには、その区間を管理する漁協の遊漁券(遊漁承認証)が必要です。無券で竿を出せば密漁扱いになり、監視員に見つかれば釣りを中止することになります。券は漁協事務所のほか、川沿いのオトリ店・釣具店・コンビニなどの取扱店で買えます。近年はFISHPASSのようなアプリ経由でスマートフォンから購入できる漁協も増え、早朝や店が閉まっている時間帯でも入手できるようになりました。
重要なのが「現場売り」の料金差です。板取川上流漁協では日釣り券3,000円に対し、川で買うと3,000円が加算されて6,000円。高原川漁協でも日券3,500円に3,500円が加算されます。つまり買い忘れると倍額。年に何度も通うなら年券のほうが割安で、たとえば郡上漁協なら日券3,000円×5回で15,000円ですから、年券14,000円を買ったほうが得になります。
券には有効な河川と区間が定められています。長良川という同じ名前の川でも、岐阜市は長良川漁協、美濃市は長良川中央漁協、郡上市は郡上漁協と管轄が分かれており、券の使い回しはできません。上流へ移動するつもりなら、移動先の券も併せて準備しておく必要があります。
オトリ鮎の入手が第一関門|1匹500〜800円が相場
友釣りには生きたオトリ鮎が要ります。川沿いのオトリ店(多くは「おとり」ののぼりを立てています)で購入し、専用の引き舟に入れて川まで運ぶのが一般的な流れです。1匹あたりの相場は500〜800円前後で、通常は2匹買って一日を始めます。1匹目を掛けたら、掛かった野鮎を次のオトリに使う「循環」ができるので、追加購入は不要になります。
道具は鮎竿(9m前後の長竿)、仕掛け、引き舟、タモ、ウェットタイツか鮎タイツ、鮎足袋(フェルトソールかピンフェルト)が基本セットです。一式を新品で揃えると10万円を超えることもありますが、シーズン中の川沿いには道具のレンタルを扱う店もあり、初回は借りて試すのが賢明です。予約が要る場合が多いので、行く前に電話しておいてください。
オトリ店は釣果情報の宝庫でもあります。「今朝はどのあたりで掛かっていますか」と尋ねれば、その日の水況や当たっているポイントを教えてもらえることが多い。初めての川なら、まずオトリ店に寄って人と話す——これが遠回りに見えて、いちばんの近道です。
増水とダム放流|「濁ってきたら上がる」を鉄則にする
鮎釣りでもっとも危険なのが増水です。晴れている場所にいても、上流で雷雨があれば川は数十分で姿を変えます。とくに岐阜の山間部は夏の午後に局地的な雷雨が発生しやすく、8月の川では珍しいことではありません。
ある釣り人が体験した典型的な失敗が、朝から入っていた瀬で昼過ぎに水位の変化を感じたものの「もう少しだけ」と粘り、20分後に腰まで水位が上がって対岸に取り残された、というものです。原因は「自分のいる場所の空だけを見ていた」こと。対策は明快で、水の色が濁ってきた、流木や落ち葉が流れ始めた、水位がじわりと上がった——このいずれかに気づいた時点で即座に岸へ上がること。判断を先延ばしにする理由は何もありません。
加えて、ダム下流の河川では放流によって水位が上がることがあります。放流時にはサイレンや警報が鳴りますが、瀬音でかき消されて聞こえないこともあるため、事前に放流予定を確認しておくのが確実です。単独釣行なら、入る場所と戻る時刻を家族に伝えておくこと。携帯電話の電波が届かない区間もあるので、これは形式ではなく実務です。
ライフジャケットは鮎釣りでも有効です。友釣りは立ち込む釣りのため「泳ぐ想定がない」と考えがちですが、足を滑らせて流されれば話は別。膨張式のウエストタイプなら動きを邪魔せず、装着していても釣りに支障はありません。
実は、ルアーでも鮎は釣れる|アユイングという選択肢
意外と知られていないのが、リールを使ったルアーで鮎を狙う「アユイング」という釣り方です。オトリ鮎の代わりにルアーを縄張りへ送り込み、体当たりしてきた野鮎を掛ける——原理は友釣りと同じですが、生きたオトリの入手と管理が不要になるため、参入のハードルが一気に下がります。
岐阜県内では長良川漁業協同組合の管内でアユルアーフィッシングが解禁されており、和良川漁協でも支流の鹿倉川限定で認められています。ただし、これは「岐阜のどの川でもルアーで釣れる」という意味ではありません。多くの漁協ではリールの使用そのものが禁止されており、規則違反になります。ハリスの長さや針の数まで細かく定められている川もあるので、遊漁規則の確認は必須です。
アユイングに向くのは、バス釣りやトラウトの道具立てをすでに持っている人、そして「鮎釣りに興味はあるが9mの長竿は荷が重い」という人です。一方で、友釣りの常連が並ぶポイントにルアーで割り込むのはトラブルのもと。人の少ない区間を選び、先行者がいれば距離を取る配慮は欠かせません。新しい釣り方だからこそ、マナーが問われます。
誰と行くかで変わる|タイプ別・鮎釣りの時期の選び方
同じ「鮎釣りに行く」でも、一人で技を磨きたいのか、家族で川遊びを楽しみたいのかで最適解は変わります。目的別に組み立て方を整理しておきます。
一人旅・初心者デビュー|7月中旬〜8月の平日が正解
初めての友釣りなら、7月中旬から8月の平日を選んでください。鮎の追いが最高潮で、多少オトリの操作が拙くても掛かってくれる時期だからです。平日なら人気ポイントも空いており、周囲を気にせず練習できます。逆に、解禁日や休日の朝は常連が並んでいて、初心者が割り込める隙間はほとんどありません。
川の選択は、川幅が広く浅い瀬が続く長良川中流域(長良川中央漁協管内、日券3,000円)か、料金の手ごろな長良川下流域(長良川漁協管内、日券2,000円)が入りやすいでしょう。宮川下流漁協管内(日券2,500円)も人が少なく、静かに練習したい人には向きます。
注意点は、初日から釣果を期待しすぎないこと。友釣りはオトリを泳がせる感覚をつかむまでに時間がかかる釣りで、初日に0匹でも珍しくありません。オトリ店で「初めてなんです」と伝えると、入りやすい場所を教えてくれることが多いので、遠慮せず頼ってください。
家族連れ|釣りより「川で遊ぶ」に振り切る夏休み
小さな子ども連れなら、友釣りそのものより川遊びを主役にするほうが満足度は高くなります。9mの長竿を扱う友釣りは子どもには難しく、大人が集中している間、子どもは退屈してしまうからです。板取川や和良川のように水が澄んで浅瀬の多い川なら、大人が竿を振る横で水遊びが成立します。
おすすめは、午前中の2〜3時間だけ釣りをして、昼からは川原でのんびり過ごす組み立て。板取川上流漁協・和良川漁協ともに中学生・高校生以下の遊漁料は無料なので、子どもに竿を持たせてみるハードルも低い。郡上エリアなら、釣りのあとに郡上八幡の城下町を歩けば、一日で釣りと観光の両方が回収できます。
注意すべきは、川遊びも増水のリスクを共有していること。子どもは大人より水流に弱く、腰までの水深でも流されます。ライフジャケットの着用と、雷鳴が聞こえたら即撤収というルールを、出発前に家族で決めておいてください。日陰の少ない川原では熱中症対策も欠かせません。

「郡上八幡って半日で回れるの?」「車で行った方がいい?それとも電車?」——郡上八幡への日帰り旅を計画すると、まずこの疑問にぶつかります。清流と踊りで知られる城下…
ドライブ旅・カップル|釣らずに「鮎を味わう」旅も成立する
鮎の時期に岐阜を訪れるなら、竿を持たない選択肢もあります。7月から9月にかけて、長良川沿いや郡上、下呂の川沿いには鮎料理を出す店が並び、炭火でじっくり焼き上げた塩焼きが味わえます。表面はぱりっと、身はほろりとほどけ、頭からかじると苦みのある腹わたの風味が広がる——川魚が苦手だった人の印象が変わる一皿です。
ドライブ旅なら、午前に板取川方面でモネの池を見て、昼に鮎料理、午後は郡上八幡か美濃のうだつの町並みを歩く、という流れが組みやすい。カップルなら下呂温泉に泊まり、翌朝に馬瀬川沿いをドライブして名水百選の清流を眺めるコースもあります。釣り人が立ち込む川を眺めるだけでも、夏の岐阜らしい光景です。
注意点は、鮎料理の店は予約制のところが多いこと。とくに落ち鮎の時期(9月)や週末は席が埋まりやすく、飛び込みで入れないことがあります。また、鮎は季節限定の食材なので、10月以降は提供が終わる店も少なくありません。「秋に岐阜へ行くから鮎を食べよう」と考えているなら、時期の見極めが必要です。
ベテラン・大鮎狙い|9月の高原川と馬瀬川に賭ける
すでに友釣りの経験があり、サイズを狙いたい人には9月の飛騨・奥美濃が待っています。高原川漁協のアユ漁期は10月25日まで。北アルプスの雪解け水を集めた急流で育った鮎は身が締まり、掛かったときの引きは20cmクラスとは別物です。2025年の清流めぐり利き鮎会でグランプリを取った川で竿を出す、というだけでも遠征の理由になります。
馬瀬川上流も9月の大鮎で知られる川です。年券16,000円という金額は、シーズンを通して通う人向けの設定。日券3,000円なら遠征でも試しやすく、下呂温泉と組み合わせれば1泊2日で朝夕の時合いを2回ずつ拾えます。
注意点は、9月の難易度です。産卵準備に入った鮎は縄張りを解いて群れ、追いが極端に鈍ります。仕掛けも太くしないと大鮎の引きで切られるため、8月と同じ道具立てでは対応できません。そして遠征前には必ず漁協へ電話を。禁漁区の追加設定や、その年の鮎の状況によっては、期待した釣りができないこともあります。
遊漁料の高さは「その川の価値」とほぼ比例します。高原川25,000円、馬瀬川上流16,000円、板取川上流15,000円という年券の額は、稚魚放流や産卵場整備、密漁監視といった資源管理にかかるコストの反映です。安い川が悪いという話ではなく、「高い川には高いだけの管理がある」と読み替えると、川選びの視点が変わります。
まとめ:鮎釣りの時期は「行きたい日」ではなく「開いている川」で決める
鮎釣りの時期を一本の線で表すと、5月中旬の解禁から始まり、6月の若鮎シーズンを経て、7月上旬から8月末までの最盛期にピークを迎え、9月の大鮎シーズンで幕を閉じる——という流れになります。漁期そのものは12月31日まで残る川もありますが、鮎が一年で一生を終える年魚である以上、実質的な釣りの終わりは9月下旬から10月中旬です。
そして岐阜という土地の面白さは、この時間軸が川ごとにずれていることにあります。岐阜市の長良川が5月11日に開き、飛騨の高原川が6月27日に開く。標高と水温と鮎の成長が、そのまま解禁日の順番になっているのです。だから「この週末に行きたい」から川を選ぶのではなく、「この週末に開いている川はどこか」から逆算するのが、空振りを避ける唯一の方法になります。
最初の一歩としておすすめしたいのは、7月中旬から8月の平日に、長良川中流域か長良川下流域へ日券で入ってみることです。日券2,000〜3,000円、オトリ2匹で1,000〜1,600円、レンタルの道具を借りれば初期投資はほとんどかかりません。まずはオトリ店に立ち寄って「初めてなんですが」と声をかけてみてください。その一言から、その日の水況も、掛かっているポイントも、竿の構え方も教えてもらえます。岐阜の川が世界農業遺産として評価されたのは、こうして人と川が近い距離で関わり続けてきたからです。竿を握って川の中に立つと、その意味が体感としてわかります。
※記載の解禁日・遊漁料は2026年シーズンの各漁協公表情報にもとづくものです。日程や料金は変更されることがあるため、最新情報は各漁業協同組合の公式サイトでご確認ください。

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