「うだつの上がる町並みで食べ歩きをしたいけれど、どこで何を食べればいいの?」――美濃市への日帰り旅を計画していると、まず突き当たるのがこの疑問です。飛騨高山の古い町並みのように串ものの屋台が軒を連ねる場所を想像して訪れると、少し拍子抜けするかもしれません。美濃の町並みは、商家の暖簾をくぐって座って味わう甘味処や、昔ながらの和菓子店が主役の、静かで落ち着いた通りだからです。
結論から言うと、うだつの町並みの食べ歩きは「甘味処で一服 → 和菓子をおみやげに → 締めは美濃のソウルフード・とんちゃん」という3段構えで組み立てるのが正解です。和紙の町として栄えた商人町の空気を味わいながら、白玉とあんこを添えたわらび餅、アーモンド入りのサブレ「うだつの町」、そして鉄板でジュウジュウと焼ける豚ホルモンまで、甘いものと塩気のあるものを行き来できます。
この記事では、地元を何度も歩いてきた案内人の目線で、町並みの成り立ちから、甘味・カフェ・とんちゃんの店選び、半日モデルコース、旅のタイプ別の楽しみ方、よくある失敗までをまとめました。初めての美濃でも、迷わず歩けるはずです。
・「うだつ」とは何か、町並みを歩く前に知っておきたい基礎知識
・わらび餅の茶房、老舗和菓子店、ほうじ茶ラテのスタンドの楽しみ方
・美濃名物「とんちゃん」を出す食堂2軒の違い(価格・焼き方の比較表つき)
・半日モデルコースと、旅のタイプ別・失敗しない歩き方
うだつの上がる町並み食べ歩きの前に知りたい「うだつ」と商人町の物語

食べ歩きの満足度は、町の背景を知っているかどうかで大きく変わります。同じわらび餅でも、それが紙問屋だった町家で出てくると知って食べるのとでは、記憶への残り方がまったく違うからです。まずは町並みそのものの話から始めましょう。
見上げるべきは屋根の両端、「うだつ」は火事から町を守る壁
町並みを歩くとき、目線を少し上に向けてみてください。屋根の両端が一段高く持ち上がり、白い漆喰で塗り固められた壁が見えるはずです。これが「うだつ」です。岐阜県観光連盟の公式観光サイトによれば、「うだつ」とは屋根の両端を一段高くして火災の類焼を防ぐために造られた防火壁のことです。江戸時代の家屋は木造が多く、ひとたび火が出れば通り一帯に瞬く間に燃え広がる危険がありました。そこで隣家との境に耐火性の漆喰を塗った壁を立ち上げ、その上に装飾瓦を載せて延焼を防いだのです。
家族旅行なら、子どもと一緒に「うだつのある家」をいくつ見つけられるか数えながら歩くのがおすすめです。瓦の形や漆喰の厚みが家ごとに違うので、写真を撮り比べるだけでも楽しめます。カップル旅では、うだつが連なる通りを斜めから撮ると、奥行きのある1枚が残せます。
注意したいのは、うだつは屋根の上にあるため、通りの真ん中で立ち止まって見上げがちな点です。町並みの通りは車も通るので、見上げるときは道の端に寄りましょう。また、建物の多くは今も人が暮らす住まいや店舗です。軒先に入り込んでの撮影は控えるのがマナーです。
「うだつが上がらない」の語源はこの町並みにあった
実は、私たちが日常で使う「うだつが上がらない」という言葉は、この防火壁から生まれました。うだつを造るには相応の費用がかかるため、裕福な家しか上げることができませんでした。そこから、うだつを上げられなかった商人を指して「うだつが上がらない」と呼ぶようになったのが語源とされています。やがて、うだつの高さや立派さそのものが、その家の繁栄を表すようになりました。
つまり、この町並みは「商人たちが屋根の上で財力を競い合った通り」でもあります。食べ歩きの途中、うだつの装飾瓦が凝っている家を見つけたら、かつてそこにどれほど羽振りのいい商家があったのかを想像してみてください。甘味処や和菓子店の多くが、そうした商家の建物をそのまま活かして営まれています。
一人旅で歴史好きなら、この「語源の町」というストーリーを頭に入れておくだけで、散策が謎解きのような時間に変わります。ただし、町並み全体を丁寧に見ていくと想像以上に時間がかかります。食べ歩きを優先したい日は、うだつの見学は代表的な数軒に絞ると、甘味処でゆっくり座る時間が確保できます。
和紙の商いが町を豊かにした――小坂家住宅と旧今井家住宅
美濃の商人がなぜ立派なうだつを上げられたのか。その答えは美濃和紙です。岐阜県の資料によれば、美濃が和紙の産地となったのは、長良川や板取川の冷たく清冽な水と、楮(こうぞ)などの原料が揃っていたことが大きな理由です。紙の取引で富を蓄えた商家が、江戸時代から明治時代初期にかけて競うように家を建て、現在の町並みができあがりました。
町並みには江戸~明治時代の商家が軒を連ね、国の重要文化財に指定された造り酒屋・小坂家住宅や、市指定文化財の旧今井家住宅が往時の繁栄を伝えています。町並み全体は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。食べ歩きの合間に、外観だけでもこの2軒を眺めておくと、町の「格」が肌で感じられます。
ドライブ旅で時間が限られている人は、この2軒の外観と甘味処1軒をセットにするだけでも、美濃らしさは十分に味わえます。一方で、文化財の建物は公開日や見学方法が決まっていることがあります。中まで見学したい場合は、事前に公開状況を確認してから計画に入れましょう。
📜 歴史メモ
美濃和紙の歴史は1300年以上。701年の大宝律令をもとに作られ、奈良の正倉院に保存されている戸籍用紙の一部にも美濃和紙が使われました。室町時代の応仁・文明年間には「六斉市」と呼ばれる紙市場が開かれ、美濃は和紙の産地として全国に知られるようになります。うだつの町並みは、この紙の商いが積み重ねた富の結晶です。
| 住所 | 〒501-3726 岐阜県美濃市加治屋町1959-1 |
| 電話番号 | 0575-35-3660 |
| アクセス | 長良川鉄道美濃市駅から徒歩約10分、東海北陸自動車道美濃ICから国道156号経由約5分 |
| 駐車場 | あり(69台、最初の30分無料、以降2時間100円) |
| 公式サイト | 公式サイト |
町並みの見どころ・散策ルートをもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。

岐阜県美濃市の中心部に、屋根の両端から袖のような壁がにょきっと立ち上がる家並みが、南北およそ二本の通りに沿って続いています。江戸から明治にかけて和紙の商いで財を…
甘いものから始めるならどこ?町家で味わう和菓子とカフェ
うだつの町並みの食べ歩きで最初に押さえたいのは甘味です。紙問屋だった町家を改装した茶房、昭和から続く和菓子店、そしてほうじ茶ラテを手に歩けるスタンド。タイプの違う3軒を知っておけば、その日の気分や同行者に合わせて選べます。
紙問屋の町家で、白玉とあんこを添えたわらび餅を――茶房とみや
町並みで「座ってひと息つく甘味処」を1軒選ぶなら、茶房とみやが筆頭候補です。江戸末期の町家(もとは紙問屋)を改装した和カフェで、和菓子の老舗・登美家が営んでいます。名物はわらび餅で、白玉とあんこがセットになっているのが特徴です。ぷるんと揺れるわらび餅に、もちっとした白玉、しっとりしたあんこが重なり、ひと皿で3つの食感を行き来できるのが魅力です。
この店の価値は、味だけでなく「空間」にあります。紙問屋の町家ならではの奥行きのある間取りや、太い梁、年季の入った建具に囲まれて食べるわらび餅は、町並みを歩き疲れた体にすっと染みます。カップル旅なら散策の中盤に、家族旅行なら子どもが歩き疲れたタイミングでの休憩場所として組み込むとちょうどいいでしょう。
注意点として、営業日・営業時間は媒体によって記載が異なり、午後からの営業という情報もあります。午前中に町並みに着いた場合は、先に散策やほかの店を回り、午後に茶房とみやへ向かう順番にすると空振りを避けやすくなります。訪問前に最新の営業状況を確認しておくと安心です。メニューの価格は確認できる公式情報がないため、現地で確かめてください。
| 住所 | 岐阜県美濃市泉町1887 |
| アクセス | 長良川鉄道美濃市駅から徒歩約10分 |
昭和25年創業の老舗、サブレ「うだつの町」はおみやげの定番――時代軒菓舗
町並みでおみやげの和菓子を探すなら、時代軒菓舗を覚えておきましょう。1950年(昭和25年)創業の老舗和菓子店で、店舗は江戸末期に建てられた上品な町家です。看板商品のひとつが、アーモンド入りのサブレ「うだつの町」。地元みやげとして親しまれていて、さくっと軽い生地にアーモンドの香ばしさが重なる、素朴で飽きのこない味わいです。
価格は1枚108円程度という情報があります(時期により変動の可能性あり)。ばらまき用のおみやげにしやすい価格帯なので、職場や友人へのおみやげに数枚ずつ買う人が多いタイプの商品です。一人旅なら、散策の途中で1枚買って歩きながらかじるのもいいでしょう。名前がそのまま「うだつの町」なので、旅の思い出を話すきっかけにもなります。
注意したいのは、和菓子店は売り切れや季節による商品の入れ替わりがあることです。夕方に訪れると品数が減っている場合もあるため、確実に買いたいなら散策の前半に立ち寄り、車に置いておくのがおすすめです。また、営業時間・定休日は公式情報で確認できなかったため、訪問前に確認してから行きましょう。
| 住所 | 岐阜県美濃市魚屋町2192-4 |
| アクセス | うだつの上がる町並み内 |
ほうじ茶ラテ片手に歩くなら――HAPPA STAND MINO
「座らずに手に持って歩ける食べ歩き」を求めるなら、HAPPA STAND MINOが選択肢になります。ほうじ茶ラテと、五平餅・里芋串といった食べ歩きメニューを楽しめるスタンドです。香ばしいほうじ茶ラテは、和紙の町の落ち着いた空気によく合い、甘じょっぱい五平餅や、ねっとりした里芋串とも相性がいい組み合わせです。
HAPPA STANDは「お茶と器」という日本の伝統文化を、今の暮らしに取り入れるコンセプトのブランドで、光アート展やあかりウォークの演出も見どころとされています。カップルや若いグループ旅なら、町並みの写真を撮りながらラテを片手に歩く、という今どきの楽しみ方にぴったりです。
注意点として、店舗情報サイトでは水曜日・木曜日が休みと記載されていますが、公式の営業カレンダーは確認できませんでした。また、町並みの中心から少し歩く位置にあるため、場所は下のカードの地図で確認してから向かいましょう。メニュー価格は公式情報で確認できなかったため、現地で確かめてください。
| 住所 | 〒501-3722 岐阜県美濃市常盤町2300 |
甘味の3軒は役割が違います。「座ってゆっくり」なら茶房とみや、「おみやげを買う」なら時代軒菓舗、「手に持って歩く」ならHAPPA STAND MINO。全部回る必要はなく、同行者と時間に合わせて1〜2軒を選ぶのが満足度の高い組み立て方です。
美濃のソウルフード「とんちゃん」はどこで食べるべき?

甘いものの次は、塩気とニンニクの香りです。美濃で「地元の味」といえば、とんちゃん。観光ガイドではあまり大きく扱われませんが、地元の人が通う食堂の鉄板には、旅行者が知らない美濃のもう一つの顔があります。
とんちゃんとは?豚ホルモンを鉄板で焼く美濃の日常食
とんちゃんは、豚ホルモンを鉄板で焼いて食べる料理で、美濃市のソウルフードとして親しまれています。ぷりっとした弾力のあるホルモンが鉄板の上で脂を落とし、タレが焦げる香ばしい匂いが立ちのぼる。甘味処の静けさとは正反対の、にぎやかで豪快な食べ物です。
町並み散策の食べ歩きに「とんちゃん」を組み込む理由は、甘味だけで終わるより旅の記憶にメリハリがつくからです。上品な和菓子と、白いご飯が進むホルモン焼き。この振れ幅こそが美濃の食の面白さです。食べ盛りの子どもがいる家族旅行や、ドライブ旅でしっかり食事を取りたい人には、昼食や夕食をとんちゃんにするのがおすすめです。
ただし、とんちゃんは鉄板で焼いて食べるスタイルなので、厳密な意味での「歩きながら食べる」グルメではありません。店内で座って食べる食事として計画しましょう。また、焼いている間に煙と匂いが服や髪に移りやすい点も、知っておきたいポイントです。
店員さんが目の前で焼いてくれる老舗――ニュー柳屋食堂
とんちゃん初心者にまずおすすめしたいのが、ニュー柳屋食堂です。美濃市のソウルフード「とんちゃん」の老舗で、最大の特徴は、目の前で店員さんが焼いてくれるスタイル。焼き加減を任せられるので、ホルモンの焼き方がわからない人でも、ちょうどいい状態で食べられます。焼く手さばきと立ちのぼる香りも、この店の魅力のひとつです。
価格は、とんちゃんが380円。ほかにもきも焼が380円~、心臓焼が380円~と、部位ごとに頼めます。数品を頼んで部位による食感の違いを食べ比べるのが楽しく、カップルや友人同士で数品をシェアするのに向いています。アクセスは長良川鉄道美濃市駅から徒歩約4分なので、電車で美濃を訪れた人でも立ち寄りやすい立地です。
注意点は、昼と夜で営業時間が分かれていることです。昼の部と夜の部の間は営業していない時間帯があるため、町並み散策の後に遅めの昼食を取ろうとすると、ちょうど閉まっていた、ということも起こり得ます。最新の営業時間と定休日は、出発前に確認しておきましょう。
| 住所 | 岐阜県美濃市広岡町2559-14 |
| アクセス | 長良川鉄道美濃市駅から徒歩約4分 |
| 駐車場 | あり |
中央の鉄板で自分で焼く楽しさ――島屋食堂
「焼くところから楽しみたい」という人には、島屋食堂が合います。テーブル中央の鉄板で、自分で焼くスタイルが特徴の店です。とんちゃんは400円、キャベツ付きのうどんが500円、サガリのどて煮が519円。とんちゃんを焼いた後の鉄板でうどんを焼くと、ホルモンの脂とタレをうどんがたっぷり吸い込み、締めの一品として満足感があります。
自分で焼くスタイルは、グループ旅行や家族旅行と相性抜群です。焼き加減をみんなでわいわい言い合いながら囲む鉄板は、旅のハイライトになります。キャベツと一緒に焼けば、甘みの出たキャベツがホルモンの脂と絡み、野菜もしっかり取れます。
注意点は、島屋食堂は町並みから少し離れた場所にあることです。車で向かう前提で計画しましょう(駐車場あり)。営業時間・定休日は公式情報で確認できなかったため、訪問前の確認が欠かせません。また、自分で焼くスタイルは焼きすぎると固くなりやすいので、焦がさないよう目を離さないことがおいしく食べるコツです。
| 住所 | 岐阜県美濃市上条61-6 |
| 駐車場 | あり |
ぎふ旅手帖調べ:とんちゃん2軒をひと目で比較
どちらの店に行くか迷ったら、下の比較表で「焼き方」と「価格」を軸に選んでください。結論としては、初めてなら店員さんにお任せできるニュー柳屋食堂、グループでわいわい楽しむなら島屋食堂です。
| 比較項目 | ニュー柳屋食堂 | 島屋食堂 |
|---|---|---|
| とんちゃん | 380円 | 400円 |
| 焼き方 | 目の前で店員さんが焼く | 中央の鉄板で自分で焼く |
| その他メニュー | きも焼 380円~ 心臓焼 380円~ |
うどん(キャベツ付き)500円 サガリのどて煮 519円 |
| アクセス | 美濃市駅から徒歩約4分 | 車での訪問向き |
| 向いている人 | 初めての人・電車旅 | グループ・家族・ドライブ旅 |
表の価格は掲載時点の情報です。とんちゃんは部位を組み合わせて頼むことが多いので、2人なら3〜4品を目安にシェアすると、いろいろな味を試せます。
とんちゃんは「焼いた後の鉄板」まで楽しむ料理です。島屋食堂ならホルモンの脂とタレが残った鉄板でキャベツ付きのうどんを焼くと、締めまで一気に味が完成します。最初からうどんを頼んでおくと、焼くタイミングを逃しません。
何をどの順で食べる?半日で回るモデルコース
うだつの町並みは、東西に通りが延びるコンパクトなエリアです。とはいえ、甘味・おみやげ・とんちゃんを全部組み込むなら、順番を考えておかないと「行きたかった店が閉まっていた」「お腹がいっぱいで食べられなかった」が起こります。ここでは半日を目安にしたモデルコースを紹介します。
スタートは町並みの駐車場から、まずは散策で「うだつ探し」
車で来る場合は、東海北陸自動車道の美濃ICから国道156号経由で約5分。町並みの観光駐車場に車を停めたら、最初の1時間は食べることより「歩くこと」に使うのがおすすめです。お腹がすく前にうだつの家並みや小坂家住宅・旧今井家住宅の外観を見ておくと、後半の甘味処で「さっき見た町家の中にいる」という実感が湧きます。
電車の場合は、長良川鉄道の美濃市駅から町並みまで徒歩約10分です。駅から歩くルートの途中にニュー柳屋食堂(美濃市駅から徒歩約4分)があるため、電車旅の人は帰り道にとんちゃんで締める組み立てにすると無駄がありません。
注意点として、町並みの観光駐車場は短時間の無料枠を過ぎると料金がかかります。料金自体は高くありませんが、散策が長引くことを見越して時間に余裕を持たせておきましょう。休日の昼前後は駐車場が混み合うこともあるため、午前中の早めの到着が安心です。
中盤は甘味処で休憩、おみやげは前半に確保
散策でひと通り町並みを歩いたら、時代軒菓舗でサブレ「うだつの町」などのおみやげを先に確保し、車に置いてから茶房とみやで休憩、という順番がおすすめです。おみやげを先に買う理由は、和菓子店は夕方になると品数が減ることがあるからです。茶房とみやは午後からの営業という情報があるため、休憩を午後に回す順番は理にかなっています。
手に持って歩くスタイルが好きな人は、ここでHAPPA STAND MINOのほうじ茶ラテと五平餅・里芋串を挟むのもいいでしょう。甘味処で座る休憩と、ラテを持って歩く時間を交互に入れると、足の疲れも溜まりにくくなります。
カップル旅なら茶房とみやでゆっくり、子連れなら歩きながら食べられるHAPPA STAND MINO、と同行者に合わせて選ぶと、全員が楽しめるコースになります。どちらも営業日が限られる可能性があるため、訪問日に営業しているかを事前に確認しておきましょう。
締めはとんちゃん、帰りに道の駅へ寄るのもあり
甘いもので小腹を満たした後は、とんちゃんで「食事」として締めくくります。電車旅ならニュー柳屋食堂、車ならグループの人数や好みでニュー柳屋食堂か島屋食堂を選びましょう。ニンニクとタレの香りが残るので、とんちゃんは「最後」に持ってくるのがポイントです。
ドライブ旅なら、帰り道に道の駅美濃にわか茶屋に立ち寄るのも選択肢です。鮎グルメやレンタサイクルの拠点として使える道の駅で、町並み巡りと組み合わせやすい立地です。

東海北陸自動車道を富山方面へ走っていると、長良川の清流沿いにふっと現れるのが「道の駅美濃にわか茶屋」です。美濃ICを降りてわずか5分。トイレ休憩のつもりで立ち寄…
注意点として、とんちゃん店は昼と夜で営業時間が分かれている店があります。散策が長引いて昼の部に間に合わない場合は、夜の部に回すか、行程を組み替えましょう。半日コースの目安は、散策に約1時間、甘味とおみやげに約1時間、とんちゃんに約1時間の合計3時間前後です。
失敗パターン①:屋台の食べ歩きを想像して「食べるものがない」と迷う
よくある失敗が、飛騨高山の古い町並みのような屋台の食べ歩きをイメージして来てしまい、「串ものを売る店が少ない」と町並みをぐるぐる回ってしまうケースです。原因は、うだつの町並みの食文化が「店に入って座って味わう」スタイル中心であることを知らないまま来ることにあります。
対策はシンプルで、「歩きながら食べる」より「店をはしごする」つもりで計画することです。甘味処1軒、和菓子店1軒、とんちゃん1軒を軸に、手に持って歩くのはHAPPA STAND MINOのラテや串もの、時代軒菓舗のサブレくらい、と割り切ると満足度が上がります。
うだつの町並みは「屋台で食べ歩き」より「町家の店をはしごする」スタイルの町です。屋台の串ものを想像して来ると物足りなく感じます。甘味処・和菓子店・とんちゃん食堂の3軒を軸に計画を立てておきましょう。
家族・カップル・一人旅で、楽しみ方はどう変わる?
同じ町並みでも、誰と行くかで「正解の回り方」は変わります。ここでは旅のタイプ別に、組み合わせ方のコツを紹介します。
家族旅行:子どもの「歩き疲れ」を甘味とセルフ焼きで解消
家族旅行のポイントは、子どもが飽きる前に「食べる楽しみ」を差し込むことです。町並み散策の前半は、子どもと一緒にうだつ探しをして遊び感覚で歩き、疲れが見えてきたら甘味処で休憩。昼食や夕食は島屋食堂のように自分で焼くスタイルの店を選ぶと、子どもも鉄板を囲んで盛り上がります。
島屋食堂のキャベツ付きうどん(500円)は、ホルモンが苦手な子どもでも食べやすい選択肢です。ホルモンを焼いた鉄板でうどんを焼けば、大人も子どもも同じ鉄板を楽しめます。
注意点として、鉄板は高温になるため、小さな子どもが手を伸ばさないよう座る位置に気をつけましょう。また、町並みの通りは車も通るため、散策中は手をつないで歩くと安心です。
カップル旅:町家の茶房と写真映えを主役に
カップル旅なら、茶房とみやの町家空間とHAPPA STAND MINOのラテを主役にした、ゆったりペースの旅がおすすめです。うだつが連なる通りを斜めから撮る写真、町家の中で向かい合って食べるわらび餅、ラテ片手の散歩と、思い出に残る場面がそろっています。
秋に訪れるなら、後述する美濃和紙あかりアート展の時期を狙うと、夕暮れの町並みに和紙のあかりが灯る幻想的な景色が楽しめます。締めのとんちゃんも、2人でいろいろな部位を少しずつ頼んでシェアすると、楽しい時間になります。
注意点は、匂いの残るとんちゃんを途中に入れると、その後の甘味処の時間が少し残念になることです。とんちゃんはあくまで締めに。服に匂いが移るのが気になる人は、羽織るものを1枚車に置いておくと安心です。
一人旅・ドライブ旅:歴史を読み解く散策と、ICから近い身軽さを活かす
一人旅なら、うだつの語源や美濃和紙の歴史を頭に入れて、町並みを「読み解く」散策を楽しんでください。ニュー柳屋食堂のように店員さんが焼いてくれる店は、一人でも入りやすく、カウンター越しの手さばきを眺めながら食べる時間は一人旅ならではの贅沢です。
ドライブ旅の強みは、美濃ICから国道156号経由で約5分という近さです。高速道路を降りてすぐ町並みに着けるため、郡上八幡や関市方面への旅の途中に半日だけ立ち寄る、という使い方ができます。時代軒菓舗のサブレのように日持ちしやすいおみやげを買って、次の目的地へ向かいましょう。
注意点として、ドライバーは町並みの散策中に飲酒を勧められても応じられないので、造り酒屋の小坂家住宅を楽しむなら外観見学にとどめましょう。また、一人旅で島屋食堂を選ぶ場合は、自分で焼くスタイルを楽しめるかを考えてから選ぶと失敗がありません。
| うだつの町並み食べ歩きのメリット | デメリット・気をつけたい点 |
|---|---|
| 町家の中で甘味を味わえる 美濃ICから約5分で車でも行きやすい 甘味ととんちゃんの振れ幅が楽しい | 屋台型の食べ歩きスポットは少ない 店ごとに営業日・時間がばらばら とんちゃん店は町並みから離れた店もある |
家族は「うだつ探し+自分で焼く鉄板」、カップルは「町家の茶房+ラテ散歩+秋のあかり」、一人旅は「歴史の読み解き+店員さんが焼くとんちゃん」、ドライブ旅は「美濃ICから約5分の近さを活かした半日立ち寄り」。同行者で軸を決めると店選びに迷いません。
食べ歩きで後悔しないために知っておきたい注意点
ここからは、実際に町並みを訪れた人がつまずきやすいポイントと、その対策をまとめます。知っておくだけで避けられることばかりです。
失敗パターン②:行きたい店が全部休み――営業日のばらつき
うだつの町並みで多い失敗が、「せっかく来たのに、目当ての店がそろって休みだった」というケースです。原因は、町並みの店が個人経営中心で、営業日や営業時間が店ごとにばらばらなことにあります。チェーン店のように「毎日開いている」という感覚で平日に訪れると、休業日が重なることがあります。茶房とみやは午後からの営業という情報もあり、午前中だけの訪問では入れない可能性もあります。
対策は、行きたい店を2〜3軒に絞り、それぞれの営業日を出発前に確認しておくことです。そのうえで、1軒が休みでも代わりに行ける「予備の店」を決めておくと、当日慌てずに済みます。土日祝は営業している店が比較的多い傾向があるため、初めての訪問なら週末を選ぶのも一つの方法です。
このほか、和菓子店は売り切れで早めに閉まることもあるため、おみやげを確実に買いたい場合は早めの時間帯に訪れるのが安心です。
匂いと煙、甘味処に戻れない問題
とんちゃんは鉄板で焼くため、煙とニンニク・タレの香りが服や髪に移りやすい料理です。その状態で静かな茶房に入ると、自分も周りも気になってしまいます。これは失敗というより順番の問題で、とんちゃんを「締め」に置けば解決します。
とくに、和紙の店や町家のギャラリーを見て回る予定がある日は、とんちゃんを最後にしておきましょう。和紙は匂いを吸いやすい素材でもあるので、買い物の前に焼き肉の煙を浴びるのは避けたいところです。
気になる人は、上着を車に置いておき、とんちゃん店では脱いでおく、という工夫も有効です。消臭スプレーを1本持っておくと、帰りの車内でも安心です。
実は「食べ歩き」より「食べ座り」が美濃の流儀
意外と知られていないけれど、うだつの町並みの食の魅力は「歩きながら食べる」ことではなく、「町家に座って食べる」ことにあります。商家の建物をそのまま活かした店が多いため、店に入ること自体が町並み見学の延長になるのです。屋台の串を次々に食べ歩くスタイルを期待すると物足りなく感じますが、見方を変えれば、文化財級の町並みの「内側」に入れる町とも言えます。
この視点で計画を立てると、食べ歩きの満足度はぐっと上がります。外から見上げたうだつの家に、茶房の席から内側を眺める。この「外と内」の両方を味わえるのが、美濃の町並みならではの楽しみ方です。
また、町並みの多くの建物は今も住まいとして使われています。食べながら歩く場合は、食べ物を持ったまま店や民家の軒先に入らない、ゴミは持ち帰る、といった基本的なマナーを守りましょう。
秋のあかりアート展と美濃和紙も一緒に楽しむには?
うだつの町並みを訪れるなら、食べ歩きと一緒に「和紙の町」としての顔も味わっておきたいところです。とくに秋は、町並みが一年でもっとも幻想的に姿を変える季節です。
美濃和紙あかりアート展――夕暮れの町並みに和紙のあかりが灯る
毎年秋に開かれる「美濃和紙あかりアート展」では、美濃和紙を使った独創的なあかりの作品が、うだつの町並みに展示されます。日が傾き、町家の格子越しに和紙を透かしたやわらかな光が浮かび上がる光景は、昼間の町並みとはまったく違う表情です。
食べ歩きと組み合わせるなら、昼過ぎに到着して甘味処とおみやげを楽しみ、夕暮れからあかりの作品を見て歩き、最後にとんちゃんで夕食、という流れがおすすめです。カップル旅には、この夕暮れの時間帯が旅のハイライトになるでしょう。
注意点として、あかりアート展の期間中は町並みの人出が増え、駐車場も混み合いやすくなります。開催日程は年によって異なるため、事前に公式の告知を確認し、到着は早めにしておきましょう。また、夕方以降は気温が下がるので、秋でも羽織るものがあると安心です。
1300年続く美濃和紙、町並みの店で手に取ってみる
美濃和紙は1300年以上の歴史を持つ和紙です。701年の大宝律令をもとに作られ、奈良の正倉院に保存されている戸籍用紙の一部にも使われました。室町時代には「六斉市」と呼ばれる紙市場が開かれ、美濃は和紙の産地として全国に知られるようになります。
町並みには、こうした和紙の歴史を感じさせる店もあります。食べ歩きの合間に和紙の小物や便箋を手に取ってみると、和菓子とは違う「美濃らしいおみやげ」が見つかります。一人旅なら、自分用に和紙のはがきを数枚買って、旅先から手紙を出すのも粋な楽しみ方です。
注意点は、先ほども触れたとおり、とんちゃんの後に和紙の店に入るのは避けたいことです。和紙は匂いを吸いやすいので、和紙の買い物は甘味処と同じ時間帯、食事の前に済ませておきましょう。
紙すき体験までしたいなら、美濃和紙の里会館もセットに
町並みで和紙に興味が湧いたら、美濃和紙の里会館で紙すき体験をしてみるのもおすすめです。自分の手で和紙をすくと、町並みの商人たちが扱っていた紙がどれほどの手間で作られていたのか、実感をもって理解できます。家族旅行なら、子どもの夏休みの思い出づくりにもなります。
食べ歩きと組み合わせる場合は、午前中に里会館で紙すき体験、午後に町並みで甘味と散策、夕方にとんちゃん、という1日コースが組めます。車で移動すれば、町並みと里会館の行き来も無理なくこなせます。
注意点として、紙すき体験は時間がかかるため、食べ歩きと両方を楽しむなら丸1日の計画にしましょう。体験の受付時間や料金は事前に確認が必要です。美濃和紙の里会館と体験の詳細は、こちらの記事で詳しく紹介しています。

「美濃和紙って名前は聞くけれど、実際どこで見て、どう楽しめばいいの?」——旅の計画を立てながら、そんな疑問を抱えていませんか。障子紙や書道用紙のイメージはあって…
美濃が和紙の産地になったのは、長良川や板取川の冷たく清冽な水と、楮などの原料がそろっていたから。町並みを歩いたあと、帰り道に長良川の流れを眺めてみると、「この水があったからこの町並みがある」とつながって見えてきます。
まとめ
最初の一歩は、茶房とみや・時代軒菓舗・とんちゃん店のうち、行きたい店を3軒選んで営業日を調べることです。それだけで、美濃の町並みでの半日は「迷う時間」から「味わう時間」に変わります。和紙の商いが育てた町の空気を、甘味と鉄板の香りと一緒に楽しんできてください。
※価格・営業時間は変更される場合があります。最新情報は各店舗・公式サイトでご確認ください。

コメント