「羽島市歴史民俗資料館・映画資料館って、何が見られるところなの?」——岐阜羽島ICのすぐ近くにありながら、この施設の中身を正確に説明できる人は多くありません。名前だけ見ると郷土資料が並ぶ静かな施設を想像しますが、実際は全国的にも珍しい「公立の映画資料館」が同居した、大人600円分の価値を300円で味わえる施設です。
結論から言えば、ここは昭和20〜30年代の大型映写機がずらりと並び、毎月第2土曜日には本物の映写機で名画が回る場所。しかも建物が建つのは、かつてこの町にあった映画館「竹鼻朝日館」の跡地であり、同時に戦国時代の竹ヶ鼻城の跡地でもあります。建物の南側は映画館を、西側は城をモチーフにした外観という、由来がそのまま形になった建築なのです。
この記事では、入館料300円の内訳から映画資料館の見どころ、円空生誕の地・羽島ならではの歴史展示、岐阜羽島ICからのアクセスと駐車場、意外と引っかかりやすい休館日のルール、そして3館共通券500円で竹鼻の町を丸ごと歩く回り方まで、地元案内人の目線で整理します。訪問前に読んでおけば、「せっかく来たのに閉まっていた」を確実に避けられます。
・羽島市歴史民俗資料館・映画資料館の料金300円で見られる中身と所要時間
・毎月第2土曜の映画上映会と2026年の企画展スケジュール
・岐阜羽島ICから8分・名鉄羽島市役所前駅から徒歩5分のアクセスと駐車場
・3館共通券500円で竹鼻の町を歩く半日モデルコース
羽島市歴史民俗資料館・映画資料館は「映画館の跡地に建った資料館」だった

岐阜県羽島市の中心部、竹鼻町。名鉄竹鼻線の羽島市役所前駅から歩いて5分ほどの場所に、独特な形をした3階建ての建物が立っています。これが羽島市歴史民俗資料館・羽島市映画資料館です。ひとつの建物に2つの館名が付いている理由も、外観がどこか映画館めいている理由も、この土地の歴史をたどるとすっきり腑に落ちます。
| 住所 | 〒501-6241 岐阜県羽島市竹鼻町2624-1 |
| 電話番号 | 058-391-2234 |
| 開館時間 | 9:00〜17:00(入館は16:30まで) |
| 休館日 | 毎週月曜日(第3日曜日の翌日の月曜日は開館)、第3日曜日、祝日の翌日、年末年始(12月28日〜1月4日) |
| 入館料 | 大人(高校生以上)300円/中学生以下 無料/10名以上の団体 1人250円 |
| 駐車場 | あり(無料) |
| アクセス | 名神高速道路 岐阜羽島ICから約8分/名鉄竹鼻線 羽島市役所前駅から徒歩約5分 |
| 公式サイト | 羽島市歴史民俗資料館 公式サイト |
300円で歴史と映画の両方が見られる|2館が1つの建物に同居する理由
この施設の入館料は大人(高校生以上)300円、中学生以下は無料。10名以上の団体なら1人250円になります。ポイントは、この300円が「歴史民俗資料館」と「映画資料館」の両方に通用することです。名前が2つ並んでいるのは、平成8年のオープン時に2つの機能を1つの建物に併設したためで、館内で入場券を買い直す必要はありません。
歴史系の展示だけを目当てに来た人が映画資料の物量に驚き、映画を見に来た人が円空仏や輪中の展示に足を止める——そんな逆転が起きやすい施設です。羽島市観光協会の紹介によれば、収蔵は円空・織物・輪中などの郷土資料が総数1万5千点、映画資料が9万3千点。市町村立の資料館としては、映画資料の比重が突出しています。
使い方としては、岐阜羽島ICを降りてすぐの立ち寄り先、あるいは新幹線の待ち時間に組み込む半端な1時間の受け皿として優秀です。家族連れなら中学生以下が無料なので、大人2人でも600円で全員が入れます。
注意点は、300円で見られるのは常設展示と企画展示であり、毎月第2土曜日の映画上映会については案内が媒体によって分かれていること。公式サイトは「入館料のみ」と記していますが、岐阜県観光公式サイトには「事前予約・有料」との記載があります。上映会が目的なら、訪問前に058-391-2234へ電話で確認するのが確実です。
南側は映画館、西側は城? 外観に2つの顔がある建築の謎
建物を一周すると、面によって表情が違うことに気づきます。これは設計の遊び心ではなく、この土地が背負ってきた2つの歴史をそのまま形にしたためです。南側はかつてこの地にあった映画館「竹鼻朝日館」を、西側は戦国期の竹ヶ鼻城をイメージした造りになっています。
建物自体は鉄骨3階建て、延べ床面積は約1,300㎡。市町村立の資料館としては標準的な規模ですが、外観の情報量は標準的ではありません。到着したらすぐ館内に入らず、駐車場から建物の周りを1周してみてください。所要2〜3分で、この施設が何を受け継いだ場所なのかが体感できます。
写真好きの人には、西側の城郭風の意匠が撮りどころ。青空の日は白壁のコントラストが出やすく、夕方は南側の映画館風ファサードに西日が回ります。三脚を立てるような場所ではないので、手持ちでさっと撮るのが現実的です。
ただし建物の外観だけを目的に訪ねるのはおすすめしません。周囲は市街地の生活道路で、路上駐車をすると通行の妨げになります。見るなら必ず駐車場に停めてから、入館とセットで楽しむのが筋です。
📜 歴史メモ|城跡が映画館になり、資料館になった土地
この場所は戦国期の竹ヶ鼻城の跡地であり、のちに映画館「竹鼻朝日館」が建ちました。その朝日館の跡地に、1996年(平成8年)2月23日、羽島市歴史民俗資料館・羽島市映画資料館が開館します。城 → 映画館 → 資料館と、同じ土地で3度も役割が変わった珍しい経歴の持ち主です。建物の南面と西面のデザインは、この2つの前身へのオマージュになっています。
開館は1996年2月23日|竹鼻朝日館の記憶を受け継いだ経緯
開館日は1996年(平成8年)2月23日。羽島市が市制施行後に整備した文化施設のひとつで、当時から歴史民俗資料館と映画資料館の併設という形をとっています。地方都市が博物館を建てるとき、郷土資料館という形に落ち着くのが通例ですが、羽島市は「映画」というもうひとつの柱を立てました。
その理由が、跡地に建っていた映画館・竹鼻朝日館の存在です。映画館が閉じたあと、映写機やポスターといった機材・資料が散逸せずに残り、それが公立の映画資料館という全国的にも珍しい形に結実しました。個人コレクターの収集品が寄贈されて成り立つ映画資料館は各地にありますが、市が館として運営している例は限られます。
この経緯を知っているかどうかで、館内の見え方が変わります。2階に並ぶ映写機は「昔の機械の展示」ではなく、この町の映画館で実際に回っていた機械の系譜。そう思って見ると、レンズの曇りやハンドルの摩耗にまで目が行きます。
逆に、そうした背景に関心がない人が漫然と歩くと、20分ほどで一巡してしまいます。時間を無駄にしないためにも、入館時に受付で「映画資料館はどのあたりから見るのがいいですか」と一言尋ねるのが、この施設のいちばん賢い使い方です。
所要時間は60〜90分|1階・2階の回り方の目安
じっくり見て60〜90分、駆け足なら30分が目安です。フロア構成は、1階が企画展示室、2階が資料展示室・映画資料展示コーナー・上映会にも使われるホールという配置。順路は1階の企画展から入り、2階で映画と昭和の暮らしを見るのがスムーズです。
企画展は時期によって内容が入れ替わるため、リピーターは1階だけを目当てに再訪する人もいます。2階の映画資料展示コーナーは、映写機・カメラ・ポスター・映画小道具が並ぶ密度の高い空間で、ここで時間を取られる人が大半です。
おすすめの組み立ては、午前中に入館して2階をゆっくり見て、昼前に外へ出て徒歩圏の佐吉大仏や竹鼻別院を歩くコース。9時開館なので、朝いちばんに入れば人が少なく、映写機を正面からじっくり撮影できます。
気をつけたいのは閉館前の駆け込みです。入館は16:30までで、17時にはきっちり閉まります。16時台に着くと、2階を見終わる前に閉館時刻になりかねません。夕方到着になりそうな日は、翌日の午前に回すか、拝観時間の長い佐吉大仏(8:00〜19:00)を先に組む判断が要ります。
公立では全国的に珍しい?映画資料館に眠る9万点超の世界
この施設のいちばんの個性は、間違いなく映画資料館の側にあります。羽島市観光協会の紹介では、映画資料の総数は9万3千点。新旧の映画ポスターが9千種類・2万7千点、大型映写機は昭和20〜30年製が8台。数字だけ見ても、市立資料館の規模を超えています。
羽島市観光協会のサイトは「郷土資料1万5千点・映画資料9万3千点」と紹介していますが、Wikipediaには「民俗資料約8,500点・映画資料約50,000点」という記載もあります。収蔵は年々増えるため、整理・登録の時点によって数え方が変わるのが理由と考えられます。この記事では、市の観光協会が公表している数字を採用しています。
昭和20〜30年代の大型映写機が並ぶ2階|フィルム時代の重量感
2階の映画資料展示コーナーで最初に目を奪われるのが、昭和20〜30年製の大型映写機8台です。デジタル上映が当たり前になった今、35mmフィルムを回していた時代の映写機を8台まとめて見られる場所は多くありません。鋳物のボディ、フィルムを送るスプロケット、カーボンアーク時代を思わせる光源部——どれも実用機の風格があります。
映写機のそばには、カメラや映画の小道具、ポスターが密度高く並びます。展示ケースの中でおとなしくしているというより、映写室の空気ごと持ってきたような並べ方で、機械好きの人ほど足が止まります。
この一角は、機械やレトロ家電が好きな人、昭和の映画館を知る世代、そして「フィルム上映」という言葉を実物で理解したい親子連れに向いています。子どもには、フィルムが1コマずつ送られて動いて見える仕組みを、映写機の前で説明してあげると理解が早いです。
注意点として、館内は撮影の可否が展示や時期によって異なる場合があります。ポスター類は著作権の関係で扱いが慎重になりがちなので、カメラを構える前に受付で確認してください。無断で撮って後から指摘されるより、最初に聞いてしまうほうが気持ちよく見学できます。
映画ポスター9千種類・2万7千点|企画展のたびに顔ぶれが変わる
ポスターの収蔵は9千種類・2万7千点。当然すべてを常時展示できる量ではないため、企画展のテーマに合わせて入れ替えながら公開されます。つまり「前に見たから今回はいい」が通用しない施設で、訪れるたびに壁面の顔ぶれが違います。
ポスターは、映画そのものの記録であると同時に、その時代の宣伝文句・書体・色使いの記録でもあります。昭和の邦画ポスターに並ぶ手描き文字の躍動感は、今のデザインには出せない密度があり、デザイン関係の仕事をしている人ほど滞在時間が伸びます。
楽しみ方としては、公開年順に眺めて時代の空気の変化を追うのが定番。カップルや友人同士なら「どのポスターの映画を今いちばん見たいか」を選び合うと、展示室での会話が続きます。
ただし、目当ての作品のポスターが必ず出ているとは限りません。特定の作品を見たくて遠方から向かうなら、事前に電話で現在の展示内容を確認しておくのが確実です。企画展の切り替え時期は展示替えで一部が見られないこともあります。
ちなみに岐阜県は、映画やアニメの舞台としても存在感のある土地です。映画資料館でフィルム時代の熱量に触れたあと、映像作品の「現在地」を巡る旅につなげるのも面白い組み立てになります。

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毎月第2土曜は本物の映写機が回る|上映作品は来館者アンケートで決まる
この館の名物が、毎月第2土曜日の午前10時からと午後2時からの2回、2階の映画資料室で行われる上映会です。上映されるのは昭和30〜50年代の邦画が中心。しかも、来館者が投票して選んだ作品が並びます。
公式の案内によれば、毎年12月と1月に来館者へアンケートを実施し、リクエストが多かった作品を中心に年間12作品を選定するという仕組み。つまり、上映ラインナップそのものが羽島に通う人たちの好みの集計結果になっているわけです。「誰かが選んだ名作特集」ではなく「常連が見たい映画」が回る——この違いは大きく、上映後の客席の空気にも表れます。
おすすめは、第2土曜日を狙って午前の回に入り、上映後に竹鼻の町を歩いて昼食、午後に山車会館やギャラリーへ回るコース。1日を映画で始める旅程は、ドライブ旅とも相性がいいです。
ここで必ず確認したいのが料金と予約の扱いです。公式サイトは「入館料のみ」と案内する一方、岐阜県観光公式サイトには「事前予約・有料」との記載があります。席数の制約や作品によって扱いが変わる可能性があるため、上映会が主目的なら電話で「予約は必要か」「入館料以外にかかるか」の2点を聞いてから出発してください。
2026年の目玉は「映画のまち岐阜 100年の物語展」|9月23日まで
2026年に訪れるなら、企画展『映画のまち岐阜 100年の物語展』(令和8年6月27日〜9月23日)が見どころです。この記事を書いている2026年8月時点では会期の真っただ中で、夏休みの旅程に組み込めます。
テーマの背景にあるのは、岐阜市の映画館の歴史です。昭和元年12月31日、現在のロイヤル劇場が建つ場所に「青雲館」という映画専門館が誕生しました。令和8(2026)年は、同じ場所で映画の灯がともり続けて100年という節目にあたります。企画展は、この100年の全上映番組を時間軸に、当時のポスターやパンフレットとともに物語風にたどる構成です。
展示では、岐阜県出身の映画監督や、岐阜がロケ地となった映画も紹介されます。岐阜と映画の関係を一本の線でたどれる機会は多くないので、映画好きなら会期中の訪問を強くおすすめします。
注意したいのは会期の終わり方です。9月23日までなので、シルバーウィークの旅程に入れる場合は最終日前後の混雑と、休館日(毎週月曜・第3日曜・祝日の翌日)の重なりに気をつけてください。祝日の翌日が休みになるルールは、連休がらみでいちばん引っかかりやすいポイントです。
円空生誕の地・羽島を知るなら歴史民俗資料館から始めたい

映画資料館の印象が強い施設ですが、歴史民俗資料館の側も内容は濃いです。羽島市は江戸時代の僧・円空が生まれた地とされ、さらに木曽三川に挟まれた輪中地帯という土地柄を持ちます。円空・輪中・織物・城下町——羽島を語るキーワードが、300円の館内にひと通り揃っています。
羽島市歴史民俗資料館・映画資料館は「羽島の入口」として使うのが正解です。ここで円空・竹ヶ鼻城・輪中の全体像をつかんでから、中観音堂(羽島円空資料館)や佐吉大仏へ向かうと、現地で見る仏像や大仏の意味が段違いに深く理解できます。逆順にすると、あとから「先に資料館へ行けばよかった」となりがちです。
円空の生まれた町を歩く前に|資料館で全体像をつかむ
円空は生涯に膨大な数の木彫仏を刻んだ僧で、その生誕地とされるのが羽島市です。歴史民俗資料館では円空に関する資料が展示され、円空という人物がどんな土地から出て、どこへ向かったのかという背景を把握できます。
実物の円空仏をまとまった数で見たいなら、車で数分の中観音堂・羽島円空資料館が本命です。ここには岐阜県重要文化財の円空仏17体が安置され、本尊の十一面観音像は高さ222cm。隣接して「円空上人産湯の井戸」も残ります。資料館で背景を、中観音堂で実物を——この2段構えが羽島の円空めぐりの王道です。
仏像に詳しくない人でも、円空仏は入りやすい対象です。鑿(のみ)の跡を残したまま笑っているような表情は、予備知識がなくても印象に残ります。一人旅で静かに向き合うのにも、親子で「どの顔がいちばん好き?」と話すのにも向いています。
注意点は、中観音堂の側は月曜休館で開館は9:00〜17:00という点。資料館と休館日の考え方が微妙に違うため、両方を1日で回るなら火曜〜土曜が安全です。拝観料は大人300円、中学生以下は無料とされていますが、現地の運用が変わることもあるため、まとまった人数で行くなら事前に電話(058-398-6264)で確認しておくと確実です。
| 住所 | 岐阜県羽島市上中町中526 |
| 電話番号 | 058-398-6264 |
| 開館時間 | 9:00〜17:00 |
| 休館日 | 月曜日 |
| 拝観料 | 大人300円/中学生以下 無料(30名以上の団体150円) |
| 見どころ | 県重要文化財の円空仏17体、本尊「十一面観音像」高さ222cm、円空上人産湯の井戸 |
| アクセス | 岐阜羽島ICから車約5分/岐阜羽島駅から車約8分 |
足元は竹ヶ鼻城の跡|城下町・竹鼻の記憶をたどる展示
資料館が建つ土地は、戦国期の竹ヶ鼻城の跡地です。館内には竹ヶ鼻城や、江戸時代の街道である美濃路に関する資料が展示され、竹鼻という町がどのように形づくられたのかを知ることができます。建物の西側が城郭風の意匠なのも、この由来があってこそです。
城跡といっても天守が残っているわけではなく、敷地内には城跡の碑と案内板が立つ形。城好きの人は、館内で城の資料を見てから外に出て碑を確認する、という順で回ると納得感があります。
戦国史をたどる旅の一環として羽島を訪れるなら、ここは「岐阜城・墨俣一夜城のあとに寄る3つ目の城跡」という位置づけがしっくりきます。派手さはありませんが、美濃の城が濃尾平野にどう配置されていたかを地図で確認できる場所です。
注意点は、城跡そのものを期待して来ると肩透かしになること。石垣も堀も現存しないため、あくまで「資料館の展示と碑で理解する城跡」と割り切って訪ねてください。城の遺構をがっつり歩きたい人は、同じ岐阜県内の別の城跡を選ぶほうが満足度は高いです。
輪中と織物|木曽三川に挟まれた暮らしの記録
羽島市は木曽川と長良川に挟まれた低地で、水と戦いながら暮らしてきた輪中の土地です。歴史民俗資料館には、輪中の生活を伝える民俗資料や、木曽川で使われていた昔の木船の展示があり、堤防に囲まれて生きるとはどういうことかが具体物で理解できます。
もうひとつの柱が織物です。羽島は繊維産業で栄えた町で、織機や関連資料が郷土資料の中に含まれています。円空・輪中・織物という3つの軸が、この町の性格をよく表しています。
この展示が刺さるのは、社会科の学習で輪中を習う小学生とその保護者、そして地形や産業史に関心のある大人です。教科書の「輪中」という2文字が、船や生活道具を見た瞬間に立体になります。夏休みの自由研究のネタ探しにも向いています。
注意したいのは、館内に飲食スペースが用意されているタイプの施設ではないこと。子ども連れで長時間の見学を予定するなら、事前に近隣で昼食を済ませるか、休憩を挟む前提で組み立ててください。
昭和の茶の間がそのまま|家電と食卓が語る暮らしの記録
2階の資料展示室には、昭和初期の家を再現した部屋があり、日用品や電化製品、昭和の食卓、初期のパソコンといった生活資料が並びます。映画資料館の隣にこの空間があることで、「その映画が上映されていた頃、家の中はこうだった」という対応関係が見えてきます。
祖父母世代と一緒に訪れると、この一角がいちばん盛り上がります。展示されている家電の名前や使い方を、実際に使っていた人が説明してくれる——資料館の解説板より濃い情報が飛び出す瞬間です。
三世代旅行の目的地として、ここは無理のない選択肢になります。入館料は大人300円で中学生以下は無料、館内は車椅子対応トイレとスロープが整備されており、歩行に不安のある家族が一緒でも回りやすい構造です。
注意点は、展示物に触れられるかどうかは資料によって異なることです。再現展示は生活感があるぶん、つい手が伸びますが、貴重な資料も含まれます。子どもと行く場合は、入館時に「触ってよいものはどれか」を確認しておくとトラブルになりません。
岐阜羽島ICから8分・名鉄駅から徒歩5分|迷わない行き方と駐車場
羽島市は交通の要衝です。名神高速道路の岐阜羽島IC、東海道新幹線の岐阜羽島駅、名鉄竹鼻線という3つの動線が集まっており、この資料館はそのいずれからもアクセスできます。飛騨方面のように車必須の土地ではないのが、羽島の強みです。
車なら岐阜羽島ICから約8分|無料駐車場ありで立ち寄りやすい
いちばん現実的なのが車です。名神高速道路 岐阜羽島ICから約8分。ICを降りて市街地方向へ進むだけで、山道も狭隘路もありません。駐車場は無料で用意されており、料金を気にせず停められます。
この立地が効いてくるのは、名神を走る長距離ドライブの途中に休憩を兼ねて立ち寄る場面です。サービスエリアで缶コーヒーを飲む30分を、映写機と円空の展示に充てる——300円で気分の切り替えができると考えれば、コストパフォーマンスは高いほうです。
関西方面から飛騨高山や下呂温泉へ向かう旅程でも、初日の午前中に組み込みやすい位置にあります。岐阜羽島ICは高山方面への通り道からはやや外れますが、岐阜市や大垣を経由するプランなら無理なく入ります。
注意点は、駐車場の台数について公式の記載が見当たらないことです。大型連休や企画展の会期末は満車の可能性があるため、混雑期は開館直後の9時台を狙うか、市街地の民間駐車場も候補に入れておくと安心です。
電車なら名鉄竹鼻線 羽島市役所前駅から徒歩5分
公共交通なら、名鉄竹鼻線の羽島市役所前駅から徒歩約5分。駅名のとおり市役所のそばで、資料館・佐吉大仏・竹鼻別院・山車会館がいずれも徒歩圏にまとまっています。車を運転しない人でも成立する、岐阜県では貴重なタイプの観光地です。
羽島市コミュニティバスを使う場合は「市役所」バス停が最寄りになります。本数は多くないため、時刻を事前に調べておくのが前提です。
この行き方が向いているのは、名古屋や岐阜市から日帰りで訪れる一人旅の人、そして酒どころを絡めたい人。運転を気にせず竹鼻の町を歩いて回れます。
注意点は、名鉄竹鼻線が支線であり、本数が幹線ほど多くないこと。帰りの列車を確認せずに歩き回ると、駅で30分以上待つことになります。到着したらまず、帰りの時刻を1本だけメモしておくのが賢明です。
新幹線の岐阜羽島駅からは? 乗り換え1回の考え方
東海道新幹線の岐阜羽島駅を使う場合、隣接する名鉄羽島線の新羽島駅から竹鼻線に乗って羽島市役所前駅へ向かうルートになります。乗り換えは1回で、駅間の距離も短いです。
この使い方が生きるのは、新幹線の乗り継ぎ時間が中途半端に空いたときです。岐阜羽島駅は新幹線停車駅としては降車する人が少なく、駅周辺で時間をつぶす選択肢が限られます。1時間半ほど余裕があるなら、資料館まで足を延ばすほうが充実します。
ビジネスで岐阜羽島駅を使う人にも現実的な選択肢です。中学生以下無料・大人300円という価格帯なので、空き時間の使い道として気軽に選べます。
注意点は、時間の読みです。乗り換え・徒歩・見学を合わせると、往復で最低でも1時間半は見ておく必要があります。新幹線の発車時刻が迫っている状況で無理に組み込むと、館内を早足で通過するだけになってしまいます。
この館の休館日は月曜だけではありません。毎週月曜日(第3日曜日の翌日の月曜日は開館)、第3日曜日、祝日の翌日、年末年始(12月28日〜1月4日)が休みです。とくに引っかかりやすいのが「第3日曜日」と「祝日の翌日」。日曜だから開いているはずと第3日曜に向かって閉館、連休最終日の翌日に立ち寄って閉館——この2パターンが典型例です。対策は、出発前にカレンダーで訪問日が第3日曜か祝日の翌日でないかを確認すること。判断に迷ったら058-391-2234へ電話するのが確実です。
3館共通券500円という選択|竹鼻の町を丸ごと歩く
ここからが、羽島を訪れる人にいちばん知ってほしい話です。羽島市には3館共通券500円という仕組みがあり、羽島市歴史民俗資料館・竹鼻まつり山車会館・不二竹鼻町屋ギャラリーの3館に使えます。単独入館はいずれも大人300円なので、2館目に入った時点で得になる計算です。
単独300円×3館なら900円|共通券で400円浮く計算
実際の金額を並べると、判断は簡単です。3館すべてを個別に払えば900円。共通券なら500円。差額は400円で、缶ジュース2本分ほどの節約になります。しかも共通券の窓口はどの館でも購入でき、最初に入った館で申し出れば済みます。
| 項目 | 羽島市歴史民俗資料館・映画資料館 | 竹鼻まつり山車会館 | 不二竹鼻町屋ギャラリー |
|---|---|---|---|
| 大人(高校生以上) | 300円 | 300円 | 300円 |
| 団体(10名以上) | 250円 | 250円 | 250円 |
| 中学生以下 | 無料 | 無料 | 無料 |
| 開館時間 | 9:00〜17:00 (入館16:30まで) |
9:00〜16:00 | 9:00〜17:00 (入館16:30まで) |
| 専用駐車場 | あり(無料) | なし (市役所・民間駐車場) |
記載なし |
| 3館共通券 | 大人500円(1年間有効)/3館個別なら900円で400円お得 | ||
※各館の公式サイト・羽島市公式サイトの公表情報をもとに「ぎふ旅手帖」が2026年8月時点で整理。料金・時間は変更される場合があります。
共通券が向いているのは、羽島を目的地にして半日以上滞在する人です。逆に、資料館だけ見て次の目的地へ移動する立ち寄り型の旅なら、単独300円で十分。この判断は、滞在時間を先に決めてから下すのが失敗しないコツです。
実は1年間有効|「今日は1館だけ」でも損しない使い方
ここが意外と知られていない点です。3館共通券は1年間有効とされています。つまり、今日は資料館だけ見て帰り、後日あらためて山車会館とギャラリーに寄る、という分割利用ができます。
この性質を知っていると、旅の組み立てが柔軟になります。たとえば春に美濃竹鼻ふじまつりへ来たときに共通券を買い、資料館を見て、5月3日の竹鼻まつりで再訪して山車会館へ入る——1枚のチケットで2回の旅がつながります。
岐阜県内や愛知県西部に住んでいて、羽島に何度も足を運べる距離の人にはとくに相性がいい仕組みです。企画展の入れ替わりに合わせて通うこともできます。
注意点は、有効期間の起算や運用の細部は現地の案内が最終判断になること。購入時に「いつまで使えるか」を窓口で確認し、券面の記載を確かめておいてください。
竹鼻まつり山車会館|岐阜県指定重要有形民俗文化財の山車を間近で
共通券のもう1館が竹鼻まつり山車会館です。ここでは、毎年5月3日に行われる竹鼻まつりの山車が常設展示されています。金や銀、色糸で装飾された豪華な幕類やかじ棒を、祭りの日でなくても間近で見られるのがこの館の価値です。
竹鼻まつりの山車は岐阜県指定重要有形民俗文化財で、全13輌のうち約半数ずつが隔年交互に曳行されます。山車会館では現在、大西町と宮町の山車を展示中。祭り当日は動く山車に人垣ができて細部まで見られませんが、館内なら幕の刺繍を数十センチの距離で観察できます。
高山祭の屋台を見たことがある人ほど、竹鼻の山車との違いに興味が湧くはずです。同じ岐阜県でも、飛騨と美濃では祭り屋台の意匠も曳き方も異なります。祭り文化を比べたい人には格好の材料です。
注意点は2つ。開館時間が9:00〜16:00と資料館より1時間早く閉まること、そして専用駐車場がないことです。車の場合は羽島市役所駐車場か民間駐車場を使う前提で動いてください。
| 住所 | 岐阜県羽島市竹鼻町3062番地3 |
| 電話番号 | 058-392-9943(羽島市商工観光課) |
| 開館時間 | 午前9時〜午後4時 |
| 休館日 | 毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、年末年始(12月28日〜1月4日)、臨時休館あり |
| 入館料 | 大人(高校生以上)300円/団体(10人以上)250円/中学生以下 無料/障がい者(介助者1人まで)150円/3館共通券500円 |
| 駐車場 | 専用駐車場なし(羽島市役所駐車場または民間駐車場を利用) |
| 公式情報 | 羽島市公式サイト |
不二竹鼻町屋ギャラリー|大正3年の京町屋が展示空間に
3館目が不二竹鼻町屋ギャラリーです。大正3年に建てられた京町屋式の民家を活用した施設で、平成30年4月18日に開館しました。不二精工株式会社からの美術品寄贈が契機となり、竹鼻のまちなかに賑わいを生む拠点として整備された経緯があります。
見どころは展示作品だけではありません。京町屋の風情を残した建物そのものが展示物のようなもので、通り土間や梁の造作を見ながら歩けます。開館時間は9:00〜17:00(入館は16:30まで)、資料館と同じリズムで動けるのも便利です。
カップルや友人同士の旅なら、資料館の映写機 → 山車会館の絢爛な幕 → 町屋の静けさ、という緩急のある3館めぐりが会話を生みます。名鉄羽島市役所前駅から徒歩6分ほどなので、電車旅でも無理なく組み込めます。
注意点は、展示替え期間は休館になることです。通常の休館日(月曜・祝日の翌日・年末年始)に加えて臨時の休みが入るため、訪問前に電話(058-393-0951)で開館状況を確認しておくと空振りを防げます。
| 住所 | 〒501-6241 岐阜県羽島市竹鼻町2765 |
| 電話番号 | 058-393-0951 |
| 開館時間 | 9:00〜17:00(入館は16:30まで) |
| 休館日 | 月曜日、祝日の翌日、年末年始(12月28日〜1月4日)、展示替え期間 |
| 入館料 | 一般300円/団体(10名以上)250円/中学生以下 無料/3館共通券500円(1年間有効) |
| 建物 | 大正3年建築の京町屋式民家を活用(平成30年4月18日開館) |
| アクセス | 名鉄竹鼻線 羽島市役所前駅から徒歩約6分 |
資料館とセットで歩きたい竹鼻の町|大仏・藤・祭り
羽島市歴史民俗資料館・映画資料館の周辺は、徒歩圏に見どころが密集しています。無料で拝観できる青銅の大仏、樹齢300年以上の藤、県指定文化財の山車が練り歩く祭り。半日あれば、竹鼻という町の輪郭がつかめます。
佐吉大仏は拝観無料|高さ4.9mの釈迦如来が駅から徒歩2分
資料館から歩いてすぐの場所にあるのが佐吉大仏(大佛寺)です。銅製の釈迦牟尼仏で、石の台座を含めた全体の高さは4.9m、台座の周りは8.3m。しかも拝観料は無料、拝観時間は8:00〜19:00で年中無休という懐の深さです。
建立したのは、美濃の聖人と呼ばれた豪商・永田佐吉。宝暦9年(1759年)、巡礼中の大病から回復したことへの感謝として造立したと伝わります。製作を担ったのは江戸の鋳物師・西村和泉守藤原政時。御堂は1891年の濃尾地震で焼失し、1962年に再建されました。
朝の時間帯に強いのがこの大仏の利点です。資料館の開館は9時ですが、佐吉大仏は8時から拝観できます。朝いちばんに大仏へ寄り、9時の開館に合わせて資料館へ——この順番なら、待ち時間ゼロで動けます。名鉄羽島市役所前駅からは徒歩約2分です。
注意点は、駐車場についての公表情報が見当たらないこと。車で向かう場合は資料館や市役所周辺の駐車場を使い、徒歩で回るのが無難です。生活道路に路上駐車をすると近隣の迷惑になります。
| 住所 | 岐阜県羽島市竹鼻町209 |
| 電話番号 | 058-391-5032 |
| 拝観時間 | 8:00〜19:00(年中無休) |
| 拝観料 | 無料 |
| 大きさ | 石の台座を含め全体で4.9m、台座の周りは8.3m |
| アクセス | 名鉄竹鼻線 羽島市役所前駅から徒歩約2分 |
竹鼻別院のフジは樹齢300年以上|見頃は4月中旬から
資料館から徒歩圏の竹鼻別院には、樹齢300年以上といわれる岐阜県天然記念物のフジがあります。4月中頃から薄紫の花房が垂れ下がり、境内が藤色に染まる光景は羽島の春の風物詩です。
開花に合わせて開かれるのが美濃竹鼻ふじまつり。2026年は4月17日(金)〜4月29日(水・祝)と、竹鼻まつり開催日に、10:00〜16:00で開催されました。料金は無料で、お抹茶コーナーや露店、スタンプラリーといった催しが並びます。
春に羽島を訪れるなら、藤を見てから資料館に入る流れが自然です。屋外で花を眺め、屋内で映写機と円空を見る——天候が不安定な春でも、雨に降られたら館内へ避難できる組み立てになります。
注意点は駐車場です。ふじまつり期間中は無料の臨時駐車場(不二羽島文化センター第5・第7駐車場)が用意されますが、通常時とは動線が変わります。大型バスも不二羽島文化センターに駐車する運用なので、当日は案内表示に従ってください。
| 住所 | 岐阜県羽島市竹鼻町2802 |
| 電話番号 | 058-392-2379 |
| 拝観料 | 無料(美濃竹鼻ふじまつりの入場も無料) |
| 見どころ | 樹齢300年以上といわれる岐阜県天然記念物「竹鼻別院のフジ」 |
| 駐車場 | ふじまつり期間中は無料臨時駐車場(不二羽島文化センター第5・第7駐車場) |
| アクセス | 名鉄竹鼻線 羽島市役所前駅から徒歩約5分 |
5月3日は竹鼻まつり|2026年は7輌の山車が町を練る
竹鼻の1年でいちばん町が沸くのが、毎年5月3日の竹鼻まつりです。竹鼻町の八劔神社の祭礼で、江戸時代に起源をもつ山車が町内を練り歩きます。山車は岐阜県指定重要有形民俗文化財に指定された豪華絢爛なもので、からくり人形や子どもの手踊りが奉芸されます。
山車は全部で13輌あり、約半数ずつが隔年交互に曳行される仕組み。2026年(令和8年)は7輌が曳かれました。山車展示は八劔神社、ぐるっと羽島、青山スクエアの3か所で午前10時〜午後4時に行われます。
祭り好きなら、5月3日を狙って訪れる価値は十分あります。高山祭の屋台と比べると規模は小さいものの、観光客の密度が低いぶん、山車との距離が近いのが竹鼻の魅力です。
雨天等で中止の場合は翌4日(月・祝)に延期されます。順延の可能性がある日程なので、遠方から向かうなら前日夜の情報確認が欠かせません。
5月3日の竹鼻まつりや4月のふじまつり期間中は、竹鼻の市街地に人と車が集中します。とくに竹鼻まつり山車会館には専用駐車場がなく、通常は羽島市役所駐車場や民間駐車場に頼る構造。祭り当日は市役所周辺も埋まり、山車の曳行で通行できない道も出ます。対策は2つ。1つは名鉄竹鼻線の羽島市役所前駅を使って電車で入ること、もう1つはふじまつり期間なら不二羽島文化センターの臨時駐車場(第5・第7)を最初から目的地に設定することです。「資料館の無料駐車場があるから大丈夫」と考えて直行すると、祭り当日は入れないことがあります。
羽島から車で20分ほど南西に走れば、串カツと月末の夜参りで知られるお千代保稲荷があります。資料館めぐりのあとに参道グルメを組み合わせると、1日の満足度がぐっと上がります。

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誰と行くかで変わる回り方|4つのシーン別プラン
同じ300円の施設でも、誰と行くかで最適な回り方は変わります。ここでは、ドライブ旅・家族連れ・カップルや一人旅・雨の日という4つの場面に分けて、具体的な組み立てを提案します。
ドライブ旅なら|岐阜羽島ICの「降りて8分」を活かす
名神を走る旅程なら、この施設はICから8分・無料駐車場あり・入館300円という三拍子で、休憩の質を上げる立ち寄り先になります。1時間の滞在で、体も気分もリセットできます。
具体的な組み立ては、午前中に岐阜羽島ICを降りて資料館へ。60分見学したあと、徒歩で佐吉大仏を拝観して昼食。午後は関ケ原や大垣、あるいは岐阜市方面へ北上——という流れが自然です。関西方面から飛騨や下呂を目指す旅の「初日の午前」にちょうど収まります。
運転の負担が軽いのも利点です。山岳路を含む飛騨方面の移動と違い、羽島周辺は平坦な濃尾平野。運転に慣れていない人でもストレスがありません。
注意点は、企画展の会期末や大型連休は駐車場が混む可能性があること。到着時刻が読めないドライブ旅では、9時台または15時台の空きやすい時間を狙うと確実です。
家族連れなら|中学生以下無料で「学び」に振れる
家族旅行での強みは、なんといっても中学生以下が無料という点です。大人2人と子ども2人なら600円で全員入館できます。しかも展示内容が、輪中の暮らし・昔の木船・昭和の家電と、小学校の社会科と直結しています。
夏休みなら、自由研究のテーマ探しとして使う手があります。輪中の暮らしを取り上げるにせよ、映画の仕組みを調べるにせよ、実物を見て写真とメモを持ち帰れば、資料集を写しただけのレポートとは仕上がりが変わります。
三世代旅行にも向いています。昭和の茶の間の再現展示は祖父母世代の記憶を呼び起こし、映画資料は上の世代ほど話が弾みます。車椅子対応トイレとスロープが整備されているため、歩行に不安のある家族が一緒でも回りやすい構造です。
注意点は、館内に飲食や休憩を長くとれる設備が整っているタイプではないこと。小さな子どもを連れる場合は、見学時間を60分程度に区切り、食事は町なかや近隣の施設で確保する前提で組んでください。
カップル・一人旅なら|3館めぐりで竹鼻を歩き切る
2人旅や一人旅には、3館共通券500円を使った半日コースがちょうどいい密度です。資料館 → 竹鼻まつり山車会館 → 不二竹鼻町屋ギャラリーと歩けば、移動はすべて徒歩圏で完結します。
おすすめの順番は、午前に資料館(60〜90分)、そのあと山車会館(30分)、最後に町屋ギャラリー(30分)。山車会館が16時に閉まるので、後半に回すなら15時までには入っておきたいところです。
会話の材料にも困りません。映写機の前では昔見た映画の話、山車の幕の前では祭りの話、町屋では建物の話。テーマが3つとも違うので、同じトーンの見学が続いて飽きるということがありません。
注意点は、名鉄竹鼻線の本数です。電車で来た場合、帰りの列車を確認せずに3館を回ると、最後に駅で長く待つことになります。到着時に時刻表を1枚撮っておくのが確実です。
雨の日・猛暑日なら|屋内完結の避難先として
羽島の3館めぐりは、天候に左右されない旅程としても優秀です。屋外の見どころは佐吉大仏と竹鼻別院くらいで、あとはすべて屋内。夏の猛暑日や梅雨時期に、屋外中心の観光地が使いにくくなる場面で価値が出ます。
とくに岐阜県は夏の暑さが厳しい土地です。真夏に濃尾平野を歩き回る旅程はきついですが、9時開館の資料館に入って涼み、映写機とポスターを眺めているうちに午前が終わる——これはこれで、旅として成立します。
雨の日の家族旅行で、行き先が急に消えたときの代替案としても現実的です。予約が必要な施設ではないので、当日の思いつきで向かえます(上映会目当ての場合を除く)。
注意点は、雨天でも休館日は変わらないことです。「雨だから屋内施設へ」と切り替えた日が第3日曜や祝日の翌日だった、というのがいちばん多い失敗。行き先を変更する前に、開館日だけは必ず確認してください。
岐阜市内まで足を延ばせば、屋内外の選択肢はさらに広がります。羽島から名鉄で北上すれば、岐阜市の観光スポットも同じ日に組み込めます。

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📝 シーン別プランのポイントまとめ
- ドライブ旅:岐阜羽島ICから8分・無料駐車場。60分の休憩を300円で密度の高い時間に
- 家族連れ:中学生以下無料。輪中・木船・昭和の家電は社会科の学習と直結
- カップル・一人旅:3館共通券500円で徒歩圏の半日コース。山車会館は16時閉館に注意
- 雨の日・猛暑日:屋内完結で天候に強い。ただし休館日のルールだけは事前確認を
まとめ|羽島市歴史民俗資料館・映画資料館は300円で二度おいしい
羽島市歴史民俗資料館・映画資料館は、名前から想像するよりずっと個性の強い施設です。戦国期の竹ヶ鼻城跡であり、映画館「竹鼻朝日館」の跡地でもあるこの土地に、1996年(平成8年)2月23日、歴史民俗資料館と映画資料館が併設される形で開館しました。建物の南側は映画館を、西側は城をモチーフにした造りで、由来がそのまま外観になっています。
入館料は大人(高校生以上)300円、中学生以下は無料。この1枚で、羽島市観光協会が紹介する郷土資料1万5千点と映画資料9万3千点の世界の入口に立てます。昭和20〜30年製の大型映写機8台、9千種類・2万7千点の映画ポスター、円空・竹ヶ鼻城・輪中・織物の郷土資料、そして昭和の茶の間の再現展示。所要時間の目安は60〜90分です。
2026年は、企画展『映画のまち岐阜 100年の物語展』が9月23日まで開催中。岐阜市で映画の灯がともり続けて100年という節目を、ポスターやパンフレットで物語風にたどる内容です。毎月第2土曜日には午前10時と午後2時の2回、映画上映会も行われます。
最初の一歩としておすすめしたいのは、火曜〜土曜のいずれかを選んで、朝9時の開館に合わせて訪ねることです。8時から拝観できる佐吉大仏で朝の空気を吸い、9時に資料館へ入って2階の映写機と向き合い、昼前に竹鼻別院や町屋ギャラリーへ。3館共通券500円を買っておけば、その日に回りきれなくても1年間有効なので、季節を変えた再訪でも使えます。
岐阜の観光といえば飛騨高山や白川郷、下呂温泉が主役です。けれど、岐阜羽島ICを降りて8分の場所に、フィルム時代の映写機と円空の記憶が同居する300円の空間があることは、もっと知られていい事実だと思います。新幹線の乗り継ぎでも、名神のドライブ途中でも、1時間あれば立ち寄れます。次に濃尾平野を通るとき、カーナビに「羽島市竹鼻町2624-1」と入れてみてください。
※本記事の情報は2026年8月時点で各施設の公式サイト・羽島市公式サイト・岐阜県観光公式サイトを確認して記載しています。料金・開館時間・企画展の内容は変更される場合があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。

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