「奥飛騨でキャンプをしたいけれど、どこなら温泉に入れるんだろう」——奥飛騨温泉郷オートキャンプ場を調べている人の多くが、まずここで手が止まります。せっかく北アルプスの麓まで走るのだから、テントを張って終わりではなく、湯にも浸かって帰りたい。そう考えるのは自然なことです。
結論から書きます。奥飛騨温泉郷オートキャンプ場には、キャンパー専用の天然温泉露天風呂が場内にあり、利用料は無料です。サイト代を払えば、朝6時から夜10時まで何度でも入れます。しかも同じ敷地に道の駅が併設されていて、買い出しのために車を出す必要すらありません。標高750m、全約175サイト。奥飛騨の温泉地帯のど真ん中にある、ちょっと反則気味の立地です。
この記事では、3タイプあるサイトの料金の違いと家族4人で泊まったときの総額、予約が月ごとに解禁される独特のスケジュール、露天風呂やシャワーの使い方、そしてキャンプ場を拠点に車15分圏で回れる秘湯と絶景まで、地元案内人の目線でまとめました。予約ボタンを押す前に知っておくと得をする話ばかりです。
・サイトⅠ/Ⅱ/Ⅲの料金差と、家族4人1泊の総額シミュレーション
・2026年の予約解禁日と、月ごとに違う受付スケジュール
・無料の天然温泉露天風呂・シャワー・炊事場・売店の使いこなし方
・高山ICからのアクセスと、車15分圏の秘湯・絶景スポット
奥飛騨温泉郷オートキャンプ場が「温泉つき」で選ばれる4つの理由

奥飛騨温泉郷には数多くの宿がありますが、テント泊しながら源泉に浸かれる場所となると選択肢は一気に狭まります。ここが多くのキャンパーに指名され続けている理由を、設備・立地・利便性の順に分解していきます。
サイト代だけで天然温泉の露天風呂に何度でも入れる
最大の看板は、場内にある「キャンパー専用天然温泉露天風呂」です。入浴料は別途かからず、宿泊者は無料で利用できます。利用時間は朝6時から夜10時(消灯)まで。男女別で、日が落ちてからは山の空気がぐっと冷えるぶん、湯に沈んだときの温度差が体に効きます。
この「無料」という条件が効いてくるのは、2泊以上する場合です。近隣のひらゆの森は日帰り入浴が大人700円・小人500円ですから、大人2人と子ども2人が2日間で2回ずつ入れば9,600円。場内で完結すれば、この分がまるごと浮きます。場内で完結すれば、その分をまるごと食材や土産に回せます。設営を終えた夕方に一度、焚き火のあとにもう一度、朝の撤収前にもう一度——という贅沢な使い方ができるのは、場内風呂ならではです。
一方で注意点もあります。露天風呂には洗い場がなく、シャンプーやボディソープを使って体を洗うことはできません。清掃時間は12時30分から14時までで、この時間帯は入浴できません。到着直後に一風呂という段取りを組んでいると、チェックイン開始の13時と清掃時間が重なるため、外してしまうことがあります。
標高750m、北アルプスの麓という立地の強さ
キャンプ場の標高は750m。平地の高山市街より明らかに涼しく、蒲田川の水音が終日聞こえる環境です。周囲は中部山岳国立公園に連なる山域で、朝は谷筋から霧が上がり、晴れた日には稜線がくっきり見えます。夏に東海や関西から向かうキャンパーが、わざわざ片道数時間かけてここを選ぶ理由の大半はこの気候にあります。
拠点としての価値も高く、新穂高ロープウェイ、上高地、乗鞍、福地温泉といった奥飛騨の主要スポットがいずれも車で移動できる範囲に収まります。テントを張りっぱなしにして日中は観光、夕方に戻って風呂と食事、というスタイルが組みやすい。1泊だと慌ただしいので、2泊3日を推奨したい立地です。
ただし標高が上がるということは、夜間の冷え込みも平地基準では測れないということです。真夏でも明け方は冷え、春先と秋口は薄手の寝袋では厳しい場面があります。ダウンや長袖を1枚多めに積んでおくと、「寒くて眠れなかった」という一番つまらない失敗を避けられます。
道の駅が同じ敷地内。買い出しの移動距離がほぼゼロ
このキャンプ場が家族連れに強いのは、道の駅「奥飛騨温泉郷上宝」が同じ田頃家11-1の敷地に併設されているからです。物産館の営業時間は4〜10月が9時から17時、11〜3月が9時から16時30分。奥飛騨山椒、本わさび、赤かぶら漬、飛騨の地酒などが並び、夏場は地元野菜も出ます。
食事処も2軒。「いちすけ」は川魚料理・山菜天ぷら・そば・うどん、「たぬき」は奥飛騨シャモ料理と飛騨牛料理を出しています。設営に手間取って夕食の準備が間に合わないときや、雨で火をおこす気力が尽きたときに、歩いていける食事処があるのは想像以上の保険になります。駐車場は大型6台・普通車29台で、トイレと駐車場は24時間利用可能です。
注意したいのは休業日で、毎年3月31日と9月30日は棚卸のため休みになります。9月末の連休がらみでキャンプを組む場合、この日だけ物産館があてにできません。前日までに食材を確保しておくと安心です。

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全約175サイトでも初心者が迷子にならない造り
サイト数は約175区画あり、そのうち71区画にAC電源が備わっています。1区画の広さはおおむね8m×6mで、テントスペースは土と草地、駐車スペースは砂利敷き。テントとタープを並べて張り、その横に車を停めるという標準的なレイアウトが無理なく収まる広さです。
公式サイトも「家族で楽しめるビギナー向けのオートキャンプ場」と位置づけており、サニタリー棟は場内3ヶ所に分散、炊事場も3ヶ所。ウォシュレット付きのトイレもあります。区画がフラットに整地されているため、寝るときに体が傾いて眠れないという初心者泣かせの事故が起きにくいのも利点です。遊具広場があるので、設営中に子どもを遊ばせておける点も家族連け向きと言えます。
逆に、区画が整理されているぶん「原生林の中にポツンと張る」ような野趣は薄めです。無骨なサイトを求めるソロキャンパーには物足りなく映ることがあります。静けさを最優先するなら、夏休みやお盆のピークを外し、平日に合わせるのが現実的な解決策です。
| 名称 | 奥飛騨温泉郷オートキャンプ場 |
| 所在地 | 〒506-1427 岐阜県高山市奥飛騨温泉郷田頃家11-1 |
| 電話番号 | 0578-89-3410(受付9:00〜17:00) |
| 利用時間 | チェックイン13:00〜16:30/チェックアウト11:00 |
| 営業期間 | 4月中旬〜11月中旬(冬季休業) |
| 料金 | オートサイト4,000円〜5,500円+入場料 大人500円・小人300円 |
| 駐車場 | 各サイトに車1台分の駐車スペースあり |
| アクセス | 中部縦貫自動車道 高山ICから国道158号・471号経由で約65分 |
| 公式サイト | 奥飛騨温泉郷オートキャンプ場 オフィシャルウェブサイト |
料金は結局いくら?3タイプのサイトと家族4人の総額
キャンプ場の料金表は、サイト使用料・入場料・オプションが別建てになっていることが多く、公式ページの数字をそのまま予算だと思っていると足が出ます。ここでは実際に払う金額まで足し上げて確認しておきます。
サイトⅠ・Ⅱ・Ⅲの違いは「電源が引けるかどうか」
サイトは3タイプに分かれています。オートキャンプサイトⅠはAC電源が使えるタイプで、初泊5,500円、2泊目以降は5,000円。オートキャンプサイトⅡは電源なしで4,500円、オートキャンプサイトⅢも電源なしで4,000円です。上限と下限の差は1,500円で、連泊するとⅠの割引が効いてくる構造になっています。
選び方はシンプルで、電気毛布・ポータブル冷蔵庫・CPAP機器など「コンセントが要る道具」を持っていくならⅠ、それ以外はⅡかⅢで十分です。とくに春先と晩秋は電気毛布の有無で睡眠の質がはっきり変わるので、シーズン端の予約ならⅠを狙う価値があります。真夏の1泊で、ランタンもクーラーボックスも電源不要という装備なら、Ⅲを選んで浮いた1,500円を飛騨牛に回すほうが満足度は高いはずです。
注意点として、電源付きサイトは全約175区画のうち71区画にとどまります。連休のピークではこの71区画から先に埋まっていくため、Ⅰを取りたいなら受付開始日に動くのが前提になります。
忘れがちな入場料とゴミ回収協力金
サイト使用料とは別に、入場料が1人ごとにかかります。大人500円、小人300円。4人家族なら合計1,600円で、これは人数が増えるほど効いてくる固定費です。
もう一つがゴミ回収協力金で、一泊二日につき300円。これを払えばゴミを引き取ってもらえるので、帰りの車内に生ゴミを積んで帰る不快さから解放されます。奥飛騨から自宅まで数時間走るケースが大半であることを考えると、300円は安い部類の出費です。
この2つを見落とすと、「4,000円のサイトのつもりが5,900円だった」という誤差が生まれます。予算を組むときは、サイト代+人数分の入場料+300円、という式で計算しておくと現地で慌てません。夕食の食材費や場外の入浴費を足す場合も、この式で出した数字を土台にすれば見通しが立てやすくなります。
AC電源は800円。使う人と使わない人の分かれ目
AC電源の使用料は1泊800円で、2泊目以降は1日ごとに400円が加算されます。つまり2泊なら1,200円、3泊なら1,600円という計算です。サイトⅠの料金にははじめから含まれておらず、別会計になる点は覚えておいてください。
電源を使うべきかどうかの判断は、季節と装備で決まります。ゴールデンウィーク前後や10月以降の奥飛騨は朝の気温が一桁台まで落ちる日があり、電気毛布1枚あれば寝袋のグレードを1段下げても対応できます。逆に7月から8月にかけての夜は電源なしでも十分寝られるので、ここに1,000円以上を投じる必然性は薄くなります。
もう一つの用途がスマートフォンやカメラ、ポータブル電源の充電です。2泊3日で写真を撮り続けるなら電源付きが心強い一方、モバイルバッテリーを1つ余分に持てば済む話でもあります。「あると便利」ではなく「ないと困る」道具があるかどうかで線を引くのが、無駄のない選び方です。
【ぎふ旅手帖調べ】大人2人+子ども2人で1泊した場合の総額
公式サイトの料金表をもとに、大人2人・子ども2人の4人家族が1泊した場合の支払い総額を試算しました。入場料とゴミ回収協力金を含めた、実際に財布から出る金額です。
| 項目 | サイトⅠ(電源使用) | サイトⅡ | サイトⅢ |
|---|---|---|---|
| サイト使用料 | 5,500円 | 4,500円 | 4,000円 |
| AC電源使用料 | 800円 | — | — |
| 入場料(大人2・小人2) | 1,600円 | 1,600円 | 1,600円 |
| ゴミ回収協力金 | 300円 | 300円 | 300円 |
| 合計(温泉入浴込み) | 8,200円 | 6,400円 | 5,900円 |
※ぎふ旅手帖調べ。公式サイトの利用案内に掲載された料金をもとに算出した目安です。露天風呂は無料のため、この総額に入浴費は含まれていません。
最も安いサイトⅢなら、4人で天然温泉に入り放題の1泊が5,900円。宿泊費として見ると踏み込んだ数字です。参考までに、平湯温泉にある平湯キャンプ場は入場料が大人800円・小人500円、駐車料が1台1,500円(特定日は2,000円)という体系で、こちらは温泉が場外にあります。料金の組み立て方そのものが違うので、比較するときは「風呂代を含むかどうか」を必ず揃えてください。
予約はいつから取れる?行っても門が閉まっている季節がある

このキャンプ場は年中無休ではありません。しかも予約の解禁日が月ごとに階段状に設定されているため、思い立った日に電話をかけても受け付けてもらえないことがあります。段取りの部分を先に押さえておきましょう。
2026年は1月10日9時スタート。月ごとに解禁日が違う
2026年シーズンの予約受付は、1月10日の午前9時から始まりました。ただし全期間が一斉に開くわけではなく、4月・5月・6月分が1月10日から、7月・8月分が2月1日から、9月以降分が3月1日から、という3段階の解禁方式になっています。
この方式の狙いは、夏休みの争奪戦を年始に集中させないことにあります。逆に言えば、お盆にサイトⅠを押さえたい人にとって勝負の日は2月1日であって、1月10日ではありません。カレンダーに入れておく日付を1日間違えるだけで、電源付きサイトは埋まってしまいます。
紅葉シーズンの10月を狙う場合は3月1日が解禁日です。奥飛騨の紅葉は標高差で見頃が長く続くため、この時期の週末は人気があります。シルバーウィークや10月の三連休を考えているなら、3月1日の午前中に動くのが安全策です。
「奥飛騨の温泉に入りながら雪見キャンプ」を思い描いて12月に向かうと、確実に空振りします。このキャンプ場は冬季休業で、前シーズンは2025年11月9日に営業を終え、次の営業開始は2026年4月18日でした。国道471号を1時間走ってからゲートが閉まっているのを見るのは、奥飛騨で最も避けたい失敗のひとつです。11月と4月に計画するときは、必ずその年の営業日程を公式サイトで確認してから出発してください。
営業は4月中旬から11月中旬まで。シーズン端が狙い目
営業期間はおおむね4月中旬から11月中旬まで。2026年は4月18日が営業開始日でした。この約7か月間のなかで、混雑のピークはゴールデンウィーク、7月下旬から8月中旬、そして10月の紅葉期に集中します。
裏を返せば、6月の平日、9月上旬、10月下旬あたりは予約が取りやすく、場内も静かです。6月は新緑と残雪の稜線が同時に見られる時期で、写真を撮る人には当たりの季節。9月は虫が減り、夜の気温が下がって焚き火が心地よくなります。人が少ない時期ほど露天風呂を独り占めできる確率も上がるので、日程を動かせる人にとっては大きなメリットです。
注意点は、シーズン端になるほど気温が読みにくいこと。4月下旬の奥飛騨には雪が残ることがあり、11月上旬は朝に霜が降ります。快適さと引き換えに空いている時期なので、防寒装備を1段階厚めに準備するという前提で計画してください。
WEB・電話・FAXの3経路と、新しくなった会員登録
予約方法は、WEB予約・電話・FAXの3通りです。2026年1月に予約システムが変更され、オンライン予約には新規会員登録が必要になりました。電話とFAXでの予約は従来どおりの手順で受け付けています。
電話の受付時間は9時から17時まで(0578-89-3410)。解禁日の午前中は回線が混み合うため、確実に取りたいならWEB予約のアカウントを事前に作っておくのが賢い準備です。当日になって会員登録の画面で足止めされると、その数分で候補のサイトが消えます。
一方で、電話には「サイトの位置や状況を相談できる」という利点があります。川に近い区画がいいのか、トイレに近いほうが助かるのか、といった要望は画面上では伝わりません。小さな子ども連れやシニアと一緒の旅なら、あえて電話で相談するほうが満足度の高い区画に当たる可能性があります。
場内設備を使い倒す|露天風呂・シャワー・炊事場・売店
設備の位置と使用時間を把握しているかどうかで、キャンプの快適さは大きく変わります。とくにこのキャンプ場は「無料の風呂」と「有料のシャワー」が別物として存在するので、そこを取り違えないことが肝心です。
露天風呂は朝6時から夜10時まで。清掃時間だけが落とし穴
キャンパー専用の天然温泉露天風呂は、朝6時から夜10時(消灯)まで無料で利用できます。男女別で、12時30分から14時までは清掃のため入浴できません。
この時間帯を頭に入れておくと、1日の組み立てがきれいに決まります。おすすめは、設営を終えた15時台に一度浸かって移動の疲れを流し、夕食と焚き火のあと、消灯前の21時台にもう一度。夜の湯は星がよく見え、山の斜面から降りてくる冷気と湯の熱さの落差が心地よく感じられます。翌朝は6時に入って、そのまま撤収に入る流れが効率的です。
注意すべきは、チェックイン開始の13時と清掃時間が重なる点です。「着いたらまず風呂」と考えていると、14時まで待つことになります。到着直後は設営に充てて、風呂は設営後に回す。この順番にするだけで待ち時間がゼロになります。
洗い場はない。体を洗うならシャワー200円で8分
露天風呂には洗い場がありません。頭や体を洗いたい場合は、併設のシャワー室を使います。料金は1回200円で利用時間は8分。利用可能なのは朝6時から夜10時(消灯)までです。シャンプーやボディソープは備え付けがないため、自分で持ち込む必要があります。
ドライヤーコーナーも用意されており、こちらは1回100円で5分間。髪の長い人は2回分の小銭を用意しておくと安心です。100円玉と500円玉をまとめて財布に入れておくと、シャワー・ドライヤー・コインランドリーのすべてに対応できます。
「場内に温泉があるから風呂道具は不要」と判断してシャンプー類を家に置いてきた——これが、この場所で最も多い失敗パターンです。露天風呂は無料でも洗い場がなく、洗髪できるのは有料シャワーだけ。しかも備え付けのアメニティはありません。原因は「温泉つき=日帰り温泉施設と同じ設備」という思い込みにあります。対策は単純で、シャンプー・ボディソープ・タオル・100円玉を1セットにして車に常備しておくこと。8分という制限時間もあるので、家族で使う場合は洗う順番を先に決めておくと慌てずに済みます。
炊事場は3ヶ所、給湯は朝8時から夜8時半まで無料
炊事場は場内3ヶ所に分散して配置されています。お湯が出る時間は朝8時から夜20時30分までで、給湯は無料です。冬に近い時期の奥飛騨で冷水だけの洗い物をするのは指がかじかむ作業なので、この給湯サービスは実質的な価値が高い設備です。
トイレを兼ねたサニタリー棟も3ヶ所あり、ウォシュレット付きの便座も設置されています。区画を選ぶときは、この3ヶ所のどれに近いかを意識すると生活動線が短くなります。とくに子連れの場合、夜中にトイレへ連れて行く距離は短いほど良く、多少の景観よりサニタリー棟までの近さを優先する価値があります。
コインランドリーは朝7時から夜21時まで稼働しており、洗濯機が1回200円(約30分)、乾燥機が1回100円(約40分)。連泊で汗をかいたときや、雨で衣類が濡れたときに使えます。注意点は、給湯が20時30分で止まること。遅い夕食を組むと洗い物のタイミングを逃すので、21時を回りそうな日は先に鍋類だけ洗っておくのが正解です。
売店「おこじょ」とレンタル。装備が足りなくても現地で立て直せる
場内の売店「おこじょ」は朝8時から17時まで営業しており、炭、薪、キャンプ用品、食料品などを扱っています。薪を家から積んでこなくても現地調達できるので、車の積載に余裕が生まれます。
レンタル品も充実していて、テント、タープ、毛布、調理用具、ランタン、コンロ、シュラフ、BBQ用具などが借りられます。「キャンプはやってみたいが道具を全部そろえる決心がつかない」という人が、最初の1回を試すのに向いた環境です。何をどこまで借りられるか、料金はいくらかは変動するため、予約時に電話で確認しておくのが確実です。
注意したいのは営業時間で、売店は17時に閉まります。チェックインの締切が16時30分ですから、遅い時間に到着すると買い物の余裕はほとんどありません。薪や炭を現地調達する前提なら、16時までには入場しておきたいところです。ペットの同伴については条件が設定されている場合があるので、犬連れの場合も事前確認をおすすめします。
高山ICから約65分|アクセスと道中で迷わないコツ

奥飛騨は完全な車社会です。公共交通でも到達はできますが、キャンプ道具を積んで移動する以上、実質的にマイカーかレンタカーが前提になります。ルートの取り方と、道中で押さえておきたいポイントを整理します。
高山ICから国道158号・471号で約65分
名古屋・関西方面からの基本ルートは、東海北陸自動車道から中部縦貫自動車道に入り、高山ICで降りるコースです。そこから国道158号で平湯温泉方面へ向かい、国道471号に入って栃尾温泉方面へ。高山ICからの所要時間はおよそ65分です。
この65分という数字は、渋滞のない条件での目安です。ゴールデンウィークや紅葉期の平湯温泉周辺は駐車場待ちの車列で流れが鈍ることがあり、繁忙期は30分程度の余裕を上乗せしておくと安心できます。チェックイン締切が16時30分であることを考えると、高山ICを15時までに通過しておく計算にしておくと、多少の遅れを吸収できます。
道中の国道158号は、平湯に近づくにつれてカーブとトンネルが連続します。キャンプ道具を高く積んだ車は重心が上がっているので、いつもより手前でブレーキを踏む意識を持ってください。夜間や雨天は視界も落ちるため、明るいうちに走り切るのが理想です。
松本・東京方面からは安房峠道路経由が現実的
関東・信州方面からは、長野自動車道の松本ICで降り、国道158号を西へ進んで安房峠道路(有料)で岐阜県側に抜けるルートが一般的です。峠を越えて平湯温泉に出たら、国道471号で栃尾温泉方面へ向かえばキャンプ場に着きます。
このルートは上高地の玄関口である沢渡や平湯を通るため、キャンプの前後に上高地観光を組み込みやすいのが利点です。一方で、国道158号の松本側は道幅が狭く待避が必要な区間があり、大型のキャンピングトレーラーを牽引している場合は緊張を強いられます。車体が大きい旅なら、高山IC側から回り込むほうが結果的に楽なこともあります。
安房峠道路は冬季を含めて基本的に通行できますが、旧道である安房峠は冬季閉鎖されます。カーナビが旧道を案内するケースがあるので、有料の安房峠道路(安房トンネル)を通るルートかどうか、出発前に確認しておくと迷いません。

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実は真夏こそ本命|標高750mの夜が持つ意味
意外と知られていませんが、このキャンプ場の真価が出るのは、ほかの多くのキャンプ場が「暑すぎて厳しい」と敬遠される真夏です。標高750mという高さは、平地との気温差にしておよそ4〜5度分。それに加えて蒲田川沿いの谷筋という地形が働き、日が落ちてからの空気が明らかに軽くなります。
平地のキャンプ場で夏に苦しむ原因は、たいてい夜間の寝苦しさです。ここではその条件が緩むうえ、夜には無料の露天風呂が使える。湯上がりに山の冷気を浴びながらテントに戻る、という夏のキャンプでは成立しにくい流れが、ここでは普通に組めます。
ただし「涼しい」と「寒くない」は別の話です。真夏でも明け方の気温は下がるため、タオルケット1枚の装備だと冷えて目が覚めます。夏だからと薄手の寝袋だけで挑まず、長袖と薄手のブランケットを1枚足しておく。この小さな準備が、涼しさをそのまま快適さに変えてくれます。
キャンプ場を拠点にする|車で回れる秘湯と絶景
場内に温泉があるとはいえ、せっかく奥飛騨まで来たなら周辺の湯にも足を伸ばしたいところです。奥飛騨温泉郷は平湯・福地・新平湯・栃尾・新穂高という5つの温泉地の総称で、キャンプ場はそのほぼ中心に位置しています。
荒神の湯|蒲田川の河原に湧く無人の露天風呂
栃尾温泉にある荒神の湯は、蒲田川の河川敷に設けられた共同露天風呂です。管理人はおらず、入口に置かれた箱に寸志を入れて入浴する仕組み。男女別で、脱衣所と浴槽だけという潔い造りです。開設時間は8時から22時までで、月・水・金は清掃のため12時からの営業になります。
湯船から見えるのは北アルプスの山並みと川の流れだけ。建物にも仕切りにも囲まれない開放感は、場内の露天風呂とはまったく別の体験です。駐車場は20台分あり、キャンプ場からは国道471号を数分走った距離。夕食前のひと風呂に組み込みやすい位置関係です。
注意点は、洗い場もシャワーもないこと、そして無人施設ゆえに脱衣所の設備が最小限であることです。体を洗うのはキャンプ場のシャワーで済ませ、ここは「景色を浴びに行く場所」と割り切るのが正しい使い方です。問い合わせは奥飛騨温泉郷観光協会(0578-89-2614)が窓口になっています。
新穂高の湯|直径約10mの巨石風呂は期間限定
新穂高温泉の中尾高原口バス停すぐにある新穂高の湯は、蒲田川のほとりに造られた公共露天風呂です。巨石で囲まれた直径およそ10mの湯船が特徴で、槍ヶ岳や笠ヶ岳の山並みを眺めながら浸かれます。清掃協力金は300円。
2026年の営業期間は4月18日から10月30日で、営業時間は8時から18時まで。期間中は無休ですが、増水時には臨時休業になります。キャンプ場の営業期間より短く、11月に泊まる場合はすでに閉まっている点に注意してください。
この規模の露天風呂はほかにあまりなく、朝の空いた時間に訪れると山の稜線が湯面に映ります。ロープウェイに乗る前の朝風呂として組み込むのが、地元案内人としてのおすすめの使い方です。岐阜県観光公式サイトにも施設情報が掲載されています。
新穂高ロープウェイ|標高2,156mの世界へ30分で上がる
キャンプ場から車で向かえる範囲にある、奥飛騨最大の観光施設が新穂高ロープウェイです。日本唯一の2階建てゴンドラで、終点の西穂高口駅は標高2,156m。第1・第2連絡往復の運賃は大人3,800円、小人1,900円です。第2ロープウェイのみの往復なら大人3,700円、小人1,850円。
運行時間は季節で変わり、4〜11月は新穂高温泉発(上り)が8時30分から16時、8月は上りが8時から16時に前倒しされます。テントを張ったまま午前中にロープウェイへ行き、昼過ぎに戻って昼寝、夕方から風呂と焚き火——という2泊3日の中日の使い方が、この地域では定番の組み立て方です。
注意点は、山頂駅の気温です。標高2,000mを超える場所なので、真夏でも麓との気温差は10度以上になります。キャンプの服装のまま上がると震えることになるため、上着を1枚持って乗り込んでください。混雑時には臨時便も出ますが、連休の午前中は待ち時間が発生します。

「新穂高ロープウェイに行ってみたいけれど、料金はいくら?何時に行けば絶景が見られるの?」——奥飛騨の旅を計画していると、必ずぶつかる疑問です。標高2,156メー…
ひらゆの森|16の湯船が雨の日の救世主になる
平湯温泉のひらゆの森は、男湯7・女湯9の計16の露天風呂を持つ日帰り温泉施設です。日帰り入浴は10時から21時(受付20時30分まで)で、料金は大人700円、小人(3歳〜小学6年生)500円。年中無休で、貸切風呂は1組45分3,000円、タオル200円、バスタオル500円で借りられます。
ここが効いてくるのは雨の日です。キャンプ場の露天風呂は屋根のない環境なので、本降りの日は長居しにくい。そんなときに車を出せば、湯船を渡り歩いて数時間をつぶせます。濁り方も温度も湯船ごとに違うので、飽きずに回れるのがこの施設の強みです。
注意点として、平湯温泉は上高地・乗鞍への乗り換え拠点でもあるため、観光シーズンの夕方は混み合います。ゆっくり浸かりたいなら、日が高いうちか、20時前後の遅めの時間を狙うのが得策です。詳細はひらゆの森公式サイトで確認できます。
| 比較項目 | 場内の露天風呂 | 荒神の湯 | ひらゆの森 |
|---|---|---|---|
| 料金 | 無料 | 寸志 | 大人700円/小人500円 |
| 利用時間 | 6:00〜22:00 | 8:00〜22:00 (月・水・金は12:00〜) |
10:00〜21:00 (受付20:30まで) |
| 洗い場 | なし(シャワー200円) | なし | あり |
| 向いている場面 | 毎日の入浴 | 景色を浴びる短時間 | 雨の日の時間つぶし |
誰と行くかで変わる過ごし方|4つのシーン別プラン
同じキャンプ場でも、同行者によって最適な組み立ては変わります。区画の選び方から中日の使い方まで、4パターンに分けて具体的に提案します。
家族連れ|遊具広場とサニタリー棟の近さを最優先に
子ども連れなら、区画選びの基準は景観よりサニタリー棟までの距離です。場内3ヶ所のトイレ・炊事場のどれかに近い区画を希望しておくと、夜中の付き添いも朝の身支度も格段に楽になります。遊具広場があるので、親が設営している間に子どもを遊ばせておけるのも助かる点です。
1日の流れは、13時以降にチェックインして設営、15時に露天風呂、夕方は道の駅で買い足し、夜は焚き火という組み立てが定番。中日は新穂高ロープウェイか奥飛騨山之村牧場が候補になります。山之村牧場は入場料・駐車場ともに無料で、営業時間は10時から16時、水曜と木曜が定休日です。ソーセージバイキングは営業日の10時から14時に受付があり、ネット予約もできます。
注意点は費用の積み上がりです。入場料は小人でも300円かかるので、4人家族なら1,600円が固定でのります。それでもサイトⅢなら総額5,900円に収まるため、ホテル泊と比べれば圧倒的に軽い出費です。
カップル|夜と朝の湯を目当てに2泊で組む
2人旅なら、あえて電源なしのサイトⅡかⅢを選んで浮いた予算を食材に回す構成がおすすめです。飛騨牛を道の駅で買い、炭火で焼く。それだけで奥飛騨のキャンプは十分に成立します。
湯の使い方は、夜21時台と朝6時台の2回が軸。夜は星、朝は谷から上がる霧と、同じ湯船でもまったく違う景色になります。中日に足を伸ばすなら、6時から11時まで開いている福地温泉朝市(11月15日〜4月14日は8時30分から)が趣のある行き先です。昔ばなしの里の園内にあり、春は山菜、夏はトマトやキュウリ、秋はキノコが並びます。
注意点は、シャワーが8分制限であること。2人で交互に使うなら200円×2回分の小銭を用意しておきましょう。また、ここは家族連れが多い場所なので、静けさを求めるなら平日か9月以降を選ぶほうが期待に合います。
一人旅|静かな時期に、装備を軽くして
ソロで訪れるなら、6月の平日や9月上旬のような閑散期が断然おすすめです。区画がフラットで管理が行き届いているため設営が早く終わり、そのぶん本を読んだり湯に入ったりする時間が増えます。
売店「おこじょ」で薪と炭を調達できるので、車の積載を減らせるのもソロ向きの条件です。テントとシュラフ、椅子、最小限の調理器具だけ積んで、あとは現地で買う。この身軽さは連泊するほど効いてきます。レンタル品も充実しているので、初めてのソロキャンプの練習場所としても向いています。
注意すべきは、ここが「野営地」ではなく整備されたオートキャンプ場だということ。深い静寂や孤独感を求めるタイプの人には、区画の密度がやや高く感じられます。夏休みやお盆は家族連れで賑やかになるため、静けさが目的なら日程を確実にずらしてください。
ドライブ旅・キャンピングカー派|道の駅併設という利点を使い切る
キャンピングカーや車中泊メインの旅なら、道の駅が同じ敷地にあるという条件がそのまま強みになります。物産館で土産と食材を仕入れ、食事処で1食を外注し、サイトでは風呂と睡眠に専念する。設営の手間が少ないぶん、周辺の観光に時間を振り分けられます。
電源が必要な装備を積んでいるならサイトⅠ一択で、AC電源使用料は1泊800円、2泊目以降は1日400円が加算されます。1区画は8m×6mが目安なので、車体が大きい場合は予約時に寸法を伝えて相談しておくのが確実です。
注意点は、道の駅の物産館が毎年3月31日と9月30日に棚卸で休むこと、そして4〜10月は17時、11〜3月は16時30分に閉まることです。夕方遅い到着だと買い物ができません。駐車場とトイレは24時間使えますが、買い出しをあてにする行程なら、16時までに現地入りする計画にしておきましょう。
📝 ポイントまとめ
- 家族連れは景観より「サニタリー棟までの距離」で区画を選ぶ
- カップルは電源なしサイトで浮いた予算を飛騨牛に回す
- 一人旅は6月平日か9月上旬。売店があるので積載を減らせる
- キャンピングカー派は道の駅の閉店時間(4〜10月は17時)に合わせて到着する
- 共通して、シャワー用の100円玉と防寒着1枚は必ず車に積む
まとめ|奥飛騨温泉郷オートキャンプ場は「湯つきの基地」として使う
奥飛騨温泉郷オートキャンプ場の価値は、突き詰めれば「温泉つきの前線基地」であることに尽きます。標高750m、全約175サイト、キャンパー専用の天然温泉露天風呂は無料で朝6時から夜10時まで。同じ敷地に道の駅「奥飛騨温泉郷上宝」があり、買い出しも外食も歩いて済ませられます。テント泊でありながら、宿に泊まるのと変わらない生活基盤が揃っているわけです。
料金は、サイト使用料4,000円〜5,500円に、入場料(大人500円・小人300円)とゴミ回収協力金300円が加わる構造。大人2人と子ども2人なら、電源なしのサイトⅢで総額5,900円、電源を使うサイトⅠで8,200円が目安です。これで温泉入り放題ですから、奥飛騨で1泊する手段としては効率のいい選択肢と言えます。
気をつけたいのは、季節と段取りの2点です。冬季は休業しており、2026年の営業開始は4月18日でした。予約は月ごとに解禁日が異なり、夏休み分は2月1日から。そして露天風呂には洗い場がないため、シャンプー類と100円玉の準備が必要です。この3つを押さえておけば、現地で困る場面はほとんどありません。
最初の一歩としておすすめしたいのは、予約サイトのアカウントを先に作っておくことです。2026年からオンライン予約は会員登録制になり、解禁日の朝に登録画面で足止めされると人気サイトを逃します。行きたい月が決まったら、その月の受付開始日をカレンダーに入れ、前日までに登録を済ませておく。それだけで、北アルプスの麓で湯に浸かる夜がぐっと近づきます。
2泊できるなら、中日は新穂高ロープウェイで標高2,156mへ上がり、帰りに荒神の湯か新穂高の湯へ寄って、夜は場内の露天風呂で締める。これが奥飛騨を最も濃く味わえる組み立て方です。雨に降られたらひらゆの森で16の湯船を回れば、それはそれで悪くない1日になります。
※料金・営業時間・営業期間は変更される場合があります。最新情報は奥飛騨温泉郷オートキャンプ場公式サイトおよび各施設の公式サイトでご確認ください。

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