「多治見の陶器祭りに行ってみたいけれど、春と秋どっちが本番なの?」「会場が毎回変わると聞いて予定が立てられない」——そんな疑問を持って検索にたどり着いた方は、正解です。多治見の陶器祭りは、実は年に2回、しかも春と秋で会場も雰囲気もガラリと変わる少し珍しいお祭りだからです。
結論から言えば、器の掘り出し物をじっくり探すなら秋の「多治見美濃焼卸センター」会場、町歩きとイベントを一緒に楽しむなら春の「本町オリベストリート」会場が向いています。美濃焼の一大産地・多治見ならではの、普段使いの器が2〜3割引で並ぶ大廉売市は、他の観光地の物産市とはひと味違う本気度です。
この記事では、岐阜を何度も巡ってきた地元案内人の目線で、2026年の開催日程・時間、春秋それぞれの会場の歩き方、車社会の東濃を攻略する駐車場・アクセスの注意点、そして美濃焼の器選びのコツまで、まるごとお伝えします。読み終える頃には、あなたに合った「行くべき回」と回り方がはっきり見えているはずです。
- 多治見の陶器祭りは春(4月)と秋(10月)で会場が違うこと
- 2026年の春・秋それぞれの開催日程と営業時間
- 本町オリベストリートと美濃焼卸センター、2会場の歩き方
- 専用駐車場なしの会場をシャトルバスで攻略する方法
- 志野・織部など美濃焼の器を祭りで賢く選ぶコツ
多治見の陶器祭りとは?春と秋で会場が変わる年2回の美濃焼市

多治見の陶器祭りは、正式には「たじみ陶器まつり」と呼ばれ、春(4月)と秋(10月)の年2回開催されます。全国有数の陶磁器産地である美濃焼のまち・多治見で、窯元や作家、問屋が一堂に会し、器を普段よりぐっと安く販売するのが最大の魅力です。ここでは、まず祭りの全体像と、春秋で何がどう違うのかを整理しておきましょう。
春と秋で会場も雰囲気も別物になる、これが最初のポイント
多治見の陶器祭りが少しややこしいのは、同じ「たじみ陶器まつり」という名前でも、春と秋で会場がまったく違う点です。春は多治見駅から歩ける中心市街地「本町オリベストリート」周辺、秋は少し離れた「多治見美濃焼卸センター」がメイン会場になります。春は商店街を歩きながら大道芸やキッチンカーも楽しむ町歩き型、秋は問屋街に器がずらりと並ぶ買い物集中型、とキャラクターがはっきり分かれています。「前に行った場所に今回も行けばいい」と思い込むと会場を間違えるので、まずは「春=オリベ、秋=卸センター」と覚えておくのが失敗しないコツです。器をじっくり選びたい人と、家族でお祭り気分を味わいたい人で、選ぶべき季節が変わってきます。
春は町なか、秋は問屋街|2会場の性格の違い
春の本町オリベストリート会場は、古い問屋建築が残る趣ある通りを舞台に、大廉売市に加えて銀座商店街の陶芸作家ブースや虎渓用水広場の大道芸まで同時に楽しめる「イベント型」です。買い物のあいだにグルメや大道芸をはさめるので、器に詳しくない同行者がいても退屈しません。一方、秋の多治見美濃焼卸センター会場は、普段は業者向けの問屋街が一般開放され、蔵出し市やクラフトマン通りに約60組が出店。キッチンカーも約20店並びますが、主役はあくまで「器を安く大量に買う」ことにあります。まとめ買いして車で持ち帰る地元客が多いのも秋の特徴です。同じ祭りでも、目的が「町歩き」なら春、「器の掘り出し物」なら秋、と割り切って予定を組むのがおすすめです。
秋会場のルーツは「たじみ茶碗まつり」にあった
秋の卸センター会場を古くから知る人は「たじみ茶碗まつり」の名前で覚えているかもしれません。もともと10月のスポーツの日と前日に行われてきた秋の陶器市は、長年「たじみ茶碗まつり」として親しまれてきました。それが2021年から「たじみ陶器まつり」秋のメイン会場として再スタートし、春の陶器まつりと名称が統一されたのです。だから「茶碗まつり」と「陶器まつり(秋)」は、呼び方が違うだけで実質同じ祭りを指します。検索すると両方の名前が出てきて混乱しがちですが、どちらも会場は多治見美濃焼卸センターです。長い歴史を持つ地元の器市が、時代とともに名前を変えてきた——そう知っておくと、案内看板やSNSの情報も迷わず読み解けます。
📜 歴史メモ|「茶碗まつり」から「陶器まつり」へ
秋の器市は毎年10月のスポーツの日と前日の2日間、「たじみ茶碗まつり」として長く開催されてきました。2021年から春の「たじみ陶器まつり」と名称が統一され、秋のメイン会場という位置づけに。名前は変わっても、美濃焼卸センターに器が並ぶ光景は昔から変わっていません。
2026年の開催はいつ?春4月・秋10月の日程と時間
「行くと決めたら、まず日程」。多治見の陶器祭りは開催日が年によって微妙にずれるため、2026年の正確な日付を押さえておきましょう。春と秋では開始時間も違うので、掘り出し物を狙う人ほどここは要チェックです。
春は2026年4月18日・19日、朝9時スタート
2026年の春のたじみ陶器まつりは、4月18日(土)・19日(日)の2日間、午前9時〜午後5時に開催されます。会場は本町オリベストリート(多治見市本町6丁目)周辺。例年4月の第3土曜・日曜に行われるパターンで、桜が終わって新緑が始まる過ごしやすい時期にあたります。土曜と日曜で内容が少し変わり、モザイクタイルミュージアム前広場のイベントは日曜(19日)のみという年もあるので、お目当てがある場合は事前に公式サイトで両日の内容を確認しておくと安心です。土日の2日間開催なので、遠方から泊まりがけで訪れるなら初日午後に到着して翌日じっくり回るプランも組めます。雨天決行が基本ですが、屋外イベントは天候で内容が変わる場合があります。
秋は2026年10月11日・12日、8時半から掘り出し物合戦
2026年の秋のたじみ陶器まつりは、10月11日(日)・12日(月・祝=スポーツの日)の2日間開催される見込みです。秋は「スポーツの日と前日」という決まりで日程が組まれるため、ハッピーマンデーの連休にあたります。ポイントは開始時間で、秋の卸センター会場は午前8時半〜午後5時半と、春より30分早く開いて30分遅く閉まります。器の掘り出し物は数量限定の一点ものが多く、開場直後に良いものから売れていくため、本気で狙うなら8時半の開場に合わせて行くのが鉄則です。連休の中日にあたる初日は特に人出が多くなります。最新の日程は多治見市公式サイトや実行委員会の告知で必ず確認してください。
「昼に行ったら売り切れ」を防ぐ、時間帯の考え方
陶器祭りでありがちなのが「午後ゆっくり行ったら、目当ての作家の器が完売していた」という失敗です。実際、蔵出しの一点ものや人気窯元の割引品は午前中で数が減り、昼過ぎには棚がスカスカ、という光景も珍しくありません。逆に、日常使いの定番食器は数がそろっているので午後でも十分選べます。つまり「作家もの・掘り出し物狙いなら午前、普段使いの食器のまとめ買いなら混雑の落ち着く昼過ぎ」と、目的で時間帯を分けるのが賢い立ち回りです。2日間開催の祭りなら、初日の午前に本命を押さえ、2日目にゆっくり見て回るという贅沢な楽しみ方もできます。
秋会場は朝8時半開場なのに「どうせ夕方まで開いているから」と昼過ぎに到着し、目当てだった蔵出しの一点ものがすべて売り切れていた——というのは陶器市でよく聞く失敗です。作家ものや掘り出し物は朝いちばんが勝負。開場時間の早い秋会場では、良品を狙うなら午前着を強くおすすめします。
春と秋の違いを一目で比べられるよう、両会場の基本情報を表にまとめました(ぎふ旅手帖調べ・2026年開催情報および公式発表をもとに作成)。
| 比較項目 | 春(4月) | 秋(10月) |
|---|---|---|
| 2026年の日程 | 4月18日・19日 | 10月11日・12日 |
| 時間 | 9:00〜17:00 | 8:30〜17:30 |
| メイン会場 | 本町オリベストリート | 多治見美濃焼卸センター |
| 駅からの距離 | 徒歩約15分 | シャトルバス利用 |
| 性格 | 町歩き・イベント型 | 器の買い物集中型 |
春のたじみ陶器まつりの歩き方|本町オリベストリートを満喫する

春の会場・本町オリベストリートは、古い問屋建築が並ぶ多治見の顔とも言える通りです。ここを軸に、器の廉売市から大道芸まで街全体がお祭りモードになります。初めてなら、どこをどう回れば効率がいいのかを押さえておきましょう。
メイン会場オリベストリートの大廉売市は2〜3割引が基本
春のオリベストリート会場の主役は、なんといっても器の大廉売市です。普段使いの茶碗や皿、マグカップなどが通常価格から2〜3割引で並び、なかにはそれ以上値引きされる訳あり品や見本市の掘り出し物もあります。美濃焼は「特徴がないのが特徴」と言われるほど幅広い作風をカバーしているので、和食器から北欧風のモダンな器まで、好みに合う一枚が必ず見つかるのが強みです。家族の食器をまとめ買いする地元客も多く、両手いっぱいに器を抱えて歩く人の姿は春の風物詩。買い物袋は割れ物でずっしり重くなるので、キャリーカートやしっかりしたエコバッグを持参すると後半がぐっと楽になります。予算は「気に入ったら数百円台から買える」ので、初めての器デビューにも向いています。
銀座商店街の作家ブースと虎渓用水広場の大道芸もはしごする
オリベストリートだけで満足してしまうのはもったいない、というのが地元目線のアドバイスです。春の陶器まつりでは、銀座商店街に陶芸作家およそ30組が出店し、作り手と直接話しながら一点ものを選べます。廉売市の器が「日常づかいの実用品」なら、こちらは「作家の個性が光る特別な器」。値段は上がりますが、贈り物や自分へのご褒美を探すならこちらが狙い目です。さらに虎渓用水広場では大道芸のパフォーマンスが行われ、器に興味のない子どもや同行者も楽しめる構成になっています。器の買い物・作家との交流・大道芸見物と、性格の違う3つのスポットを徒歩圏で回遊できるのが、町なか会場ならではの魅力です。歩き疲れたらキッチンカーで地元グルメを補給しながら、のんびり半日かけて回るのがちょうどいいペースです。
モザイクタイルミュージアム前広場は開催日限定なので要チェック
春の陶器まつりでは、多治見が誇るモザイクタイルミュージアム前の広場でもイベントが開かれることがあります。ただし、この広場のイベントは2日間のうち日曜(19日)のみといった限定開催になる年があるため、タイルミュージアムとセットで楽しみたい人は事前に開催日を確認しておきましょう。うねる曲線が印象的なタイルミュージアムの建物そのものが多治見の人気フォトスポットで、陶器まつりのついでに立ち寄れば、器とタイル、両方の「やきもの文化」を一度に味わえます。祭りの喧騒から少し離れて建築とタイル展示をゆっくり見たい、という人にもおすすめの寄り道先です。館内の見学時間や入館料などの詳細は、下の記事でくわしく紹介しています。

| 住所 | 〒507-0033 岐阜県多治見市本町6丁目 |
| 開催時間 | たじみ陶器まつり(春)9:00〜17:00 |
| 2026年日程 | 4月18日(土)・19日(日) |
| アクセス | JR中央線 多治見駅から徒歩約15分/バス「本町5丁目・創造館」下車 片道100円 |
| 駐車場 | 会場周辺に専用駐車場なし(無料シャトルバス・提携駐車場を利用) |
| 問い合わせ | 0572-25-5588(たじみ陶器まつり実行委員会) |
| 公式サイト | たじみ陶器まつり公式サイト |
秋の会場・美濃焼卸センターは掘り出し物の宝庫
秋のメイン会場、多治見美濃焼卸センターは、普段は業者が仕入れに訪れる問屋街です。年に一度、一般に大きく開放されるこの時期こそ、器好きにとっての本番。春とは規模も熱気も違う「買い物集中型」の会場を歩きましょう。
出店約60組・キッチンカー約20店の大規模問屋街
秋の卸センター会場は、大廉売通り・蔵出し市・クラフトマン通りといったエリアに約60組が出店する大規模な器市です。問屋ならではの在庫量で、同じ形の器が箱単位で積まれている光景は圧巻。家庭用の食器をまとめてそろえたい人にとっては、これ以上ない仕入れ場所です。さらにキッチンカーが約20店集まり、買い物の合間に食事や休憩も取れます。器の買い物に集中しつつ、疲れたらグルメで一息、というリズムで一日たっぷり過ごせる構成です。問屋街は敷地が広いので、まず全体をざっと一周して目星をつけ、二周目で本命を買う——この「下見してから買う」作戦が、限られた時間で満足度を上げるコツです。会計は現金のみの店もあるため、小銭を含めた現金を多めに用意しておくと安心です。
蔵出し市とクラフトマン通り、狙いどころの違い
秋会場の醍醐味は、性格の違う売り場を賢く使い分けることにあります。蔵出し市は、問屋の倉庫に眠っていた在庫や見本品が驚きの価格で放出されるエリアで、掘り出し物を探すハンター気質の人にはたまりません。一方クラフトマン通りは、若手作家やクラフト作家が自分の作品を並べる場で、作り手の顔が見える一点ものに出会えます。「とにかく安く量を買いたい」なら蔵出し市、「作家の個性ある器を一つ選びたい」ならクラフトマン通り、と目的で回る順番を決めておくと迷いません。エシカルマーケットやワークショップも併設されるので、子ども連れなら器の絵付け体験などに参加して、思い出の一品を自分の手で作るのもおすすめです。買った器は割れないよう新聞紙などで包んでくれる店が多いですが、車まで距離があるので運搬用の丈夫な袋は必須です。
駅からは無料シャトルバスが20分間隔で運行
秋の卸センター会場は多治見駅から少し離れているため、公共交通機関で行くならJR多治見駅から出る無料シャトルバスが便利です。おおむね20分間隔で運行され、器を大量に買い込んでも駅まで運んでもらえるのが助かります。車で訪れる場合は会場に駐車場が用意されますが、連休の中日は満車になりやすいので、朝いちばんの到着を目指すか、シャトルバスへの切り替えも視野に入れておきましょう。器のまとめ買いは想像以上に重くなるので、「行きは電車+シャトル、帰りは宅配便で自宅へ発送」という手も現実的です。会場に配送サービスがある年もあるため、割れ物を大量に買う予定なら受付で確認してみてください。
| 住所 | 〒507-0071 岐阜県多治見市旭ケ丘10-6-33 |
| 開催時間 | たじみ陶器まつり(秋)8:30〜17:30 |
| 2026年日程 | 10月11日(日)・12日(月・祝) |
| 出店規模 | 大廉売通り・蔵出し市・クラフトマン通り 約60組/キッチンカー約20店 |
| アクセス | JR多治見駅から無料シャトルバス(約20分間隔) |
| 問い合わせ | 0572-27-7111(多治見美濃焼卸センター協同組合) |
| 公式サイト | 多治見美濃焼卸センター協同組合 |
美濃焼って何が違う?志野・織部を祭りで見極めるコツ
せっかく美濃焼の本場で器を選ぶなら、様式の違いを少し知っておくと買い物が何倍も楽しくなります。志野、織部——名前は聞いたことがあっても、見分け方までは意外と知られていません。祭りの現場で役立つ、器選びの目利きポイントを解説します。
志野・織部・黄瀬戸・瀬戸黒、4様式の見分け方
美濃焼の代表的な様式は、大きく4つあります。志野は白いぼってりとした釉薬に、ほんのり緋色(ひいろ)がにじむ温かみのある器。織部は鮮やかな深い緑色の釉薬と、幾何学的な文様や大胆な形が特徴で、茶人・古田織部の名にちなみます。黄瀬戸は落ち着いた黄色の肌に緑や焦げの景色が入るしっとりした風合い、瀬戸黒は名前の通り真っ黒でマットな質感が魅力です。祭りの会場では、この4つを頭に入れておくだけで「これは織部かな」「白いのは志野だ」と器を見る目が変わります。美濃焼は「決まりごとがないのが特徴」と言われるほど自由で、伝統様式から現代的なモダン食器まで一つの産地で作られているのも面白いところ。様式の背景や全国シェアについては、下の記事で掘り下げています。

実は「作家もの」より廉売市の日常器こそ狙い目
陶器祭りというと「珍しい作家ものを掘り出すのが正解」と思われがちですが、地元目線ではむしろ逆をおすすめしたいところもあります。というのも、美濃焼の真骨頂は、高価な芸術品ではなく「毎日の食卓を支える質のいい日常づかいの器」を、驚くほど手頃な値段で手に入れられる点にあるからです。全国の食器の大きなシェアを美濃焼が担っているのは、まさにこの実用性と価格のバランスゆえ。作家ものは一点数千円以上することも多いですが、廉売市の日常器なら数百円で普段の食卓が格上げできます。「一生ものの一点を奮発する」より「気兼ねなく毎日使える器を数枚そろえる」ほうが、実は満足度が高いことも。もちろん記念に作家ものを一つ、という楽しみ方も素敵ですが、初めてなら肩の力を抜いて日常器から選ぶのが失敗しないコツです。
器選びで後悔しないための持ち物とチェックポイント
現場で器を選ぶときは、いくつか押さえておくと後悔がありません。まず、器は必ず手に取って重さと手なじみを確かめること。写真では分からない厚みや重量感は、毎日使ううえで想像以上に効いてきます。次に、電子レンジや食洗機に対応しているか、心配なら店の人にひと言確認を。祭りの割引品には対応外のものも混じります。持ち物としては、割れ物を安全に運ぶための丈夫なエコバッグやキャリーカート、細かい会計に備えた現金、そして意外と忘れがちな「今持っている食器とのサイズ感を測るメジャー」があると便利です。家の棚に収まるか、手持ちの器と重ねられるかを考えながら選べば、「買ったはいいけど使わない」を防げます。両会場とも歩く距離が長いので、歩きやすい靴も忘れずに。
「多治見の陶器祭り」を探していて、土岐市の「土岐美濃焼まつり」がヒットして混乱する人がいます。こちらは隣の土岐市・織部ヒルズで開かれる日本三大陶器まつりの一つで、約15万人が訪れる別のお祭り。同じ美濃焼エリアで時期も近いため、器好きなら両方はしごする人もいますが、多治見の会場とは別物なので予定を立てるときは会場名をよく確認しましょう。
混雑・駐車場・アクセスの注意点|車社会の東濃をどう攻める
飛騨や東濃といった岐阜のエリアは、基本的に車社会。しかし多治見の陶器祭りは、その常識がむしろ落とし穴になることがあります。ここでは駐車場・アクセスのリアルと、混雑を避けるコツを正直にお伝えします。
会場周辺に専用駐車場なし、シャトルと提携Pが正解
多治見の陶器祭りで最も多いつまずきが、駐車場です。特に春の本町オリベストリート会場は、公式に「会場周辺に専用駐車場はない」と案内されており、車で会場前まで乗りつけようとすると駐車場難民になりかねません。正解は、無料シャトルバスや公共交通機関、そして市内に用意される提携駐車場を利用すること。秋の卸センター会場には駐車場が設けられますが、連休中は満車になりやすく、周辺道路の渋滞も発生します。「地方のお祭りだから車で行けば停められるだろう」という思い込みは禁物。事前に公式サイトで当日の駐車場・シャトルバス情報を確認し、できればJR多治見駅を拠点にする計画を立てておくと、当日の消耗を大きく減らせます。
春の会場周辺に専用駐車場がないと知らず、車で本町オリベストリートまで向かってしまい、狭い市街地の道でぐるぐると駐車場を探すはめに——という失敗は少なくありません。中心市街地は一方通行や歩行者天国の規制もかかります。車で行くなら郊外の提携駐車場に停めてシャトルバスに乗り換える、が鉄則です。
多治見IC・中央道からのアクセスと渋滞回避
県外から車で向かう場合、多治見は中央自動車道の多治見ICが最寄りで、名古屋方面からのアクセスも良好です。ただし祭り開催日は、ICから市街地へ向かう幹線道路が混みやすく、駐車場待ちの列も重なって想像以上に時間がかかることがあります。渋滞を避けるなら、開場時間の少し前に到着するよう早めに動くのが基本。午前中に会場入りしてしまえば、混雑のピークを避けて買い物ができます。もう一つの手は、名古屋方面からならJR中央線を使ってしまうこと。多治見駅は名古屋から快速で40分ほどとアクセスがよく、器を大量に買っても電車なら渋滞と無縁で帰れます。「行きは車、でも器を買いすぎたら帰りが大変」という事態を避けるためにも、電車という選択肢は頭に入れておいて損はありません。
猛暑日本一の多治見、季節ごとの暑さ・雨対策
多治見は夏の最高気温で全国一を記録したこともある「暑さのまち」として知られています。陶器祭りは春と秋の開催なので真夏ほどではありませんが、春でも日差しが強い日は屋外を歩き続けると汗ばみますし、秋の10月でも日中は暑くなることがあります。飲み物をこまめに補給し、帽子や日傘で日差し対策を。逆に朝晩は冷え込む日もあるので、羽織れる上着があると安心です。雨天決行が基本のお祭りですが、屋外の器売り場は雨だと足元が滑りやすく、器も見づらくなります。天気が微妙な日は、レインコートと滑りにくい靴で臨むと快適さが段違い。器を買った紙袋は雨に濡れると弱くなるので、大きめのビニール袋を一枚忍ばせておくと、割れ物を濡らさずに持ち帰れます。
シーン別・多治見陶器祭りの楽しみ方と近隣スポット
同じお祭りでも、誰と行くかで最適な回り方は変わります。カップル、家族、一人旅、ドライブ——それぞれのスタイルに合った楽しみ方と、祭りとセットで訪れたい周辺スポットを紹介します。
カップル・家族・一人旅・ドライブ、タイプ別の回り方
カップルなら、春のオリベストリート会場でおそろいの器を一つずつ選ぶのがおすすめ。作家ブースで「これいいね」と語り合いながら選んだ器は、家に帰ってからも二人の思い出になります。家族連れには、絵付けやワークショップのある秋の卸センター会場が向いています。子どもが自分で作った器は世界に一つの宝物。一人旅の器好きには、開場直後に本命を狙い撃ちできる秋会場が最適で、誰にも急かされずじっくり掘り出し物を探せます。ドライブ旅なら、祭りを午前中に楽しんで午後は東濃エリアの他のスポットへ、という組み立てが効率的。ただし駐車場事情を踏まえ、車は郊外に停めてシャトルで会場入りするのが賢い選択です。目的と同行者に合わせて「行く季節」と「回る時間帯」を選べば、満足度はぐっと上がります。
祭りとセットで訪れたい虎渓山永保寺とタイルミュージアム
陶器祭りを午前中に楽しんだら、午後は多治見の名所に足を延ばしてみましょう。おすすめは、拝観無料で国宝建築2棟を巡れる禅寺・虎渓山永保寺です。夢窓疎石が手がけた名勝庭園は、池に映る観音堂と紅葉が織りなす景色が見事で、器の喧騒からうって変わった静けさに心が落ち着きます。秋の陶器まつりの時期は、ちょうど紅葉が色づき始める頃と重なるのも魅力。もう一つ、うねる曲線の建物で人気のモザイクタイルミュージアムも、多治見の「やきもの文化」を器とは別の角度から味わえる名スポットです。器・タイル・禅寺と、多治見ならではのテーマを一日で巡れば、単なる買い物旅では終わらない深い満足感が得られます。永保寺の見どころは下の記事でくわしく解説しています。

市之倉さかづき美術館の「イチノクラフト市」もはしごする
器の祭りをもっと満喫したい人には、多治見市市之倉町で開かれる「イチノクラフト市」もおすすめです。市之倉さかづき美術館の敷地内広場で、秋の陶器まつりと近い時期に開催され、窯元やクラフト作家が出店するアットホームな市。大規模な卸センター会場とは対照的に、作り手とゆっくり会話しながら器を選べる落ち着いた雰囲気が魅力です。盃(さかづき)づくりで栄えた市之倉ならではの、繊細で美しい酒器に出会えるのもここならでは。メイン会場をひとしきり回ったあと、少し足を延ばして違う空気の器市をはしごすれば、多治見の奥深いやきもの文化をより立体的に感じられます。開催時期が重なる年は、一日で複数の器市を巡る「陶器祭りはしご旅」も実現できます。
まとめ|多治見の陶器祭りは「目的で季節を選ぶ」のが正解
多治見の陶器祭りは、全国有数の美濃焼産地ならではの「器を安く、大量に、そして楽しく買える」お祭りです。春の本町オリベストリートは町歩きと大道芸を一緒に楽しむイベント型、秋の多治見美濃焼卸センターは約60組が集う器の買い物集中型。同じ名前でも会場も性格も違うので、「今回の目的は何か」を先に決めてから行く季節を選ぶのが、満足度を上げる一番の近道です。
2026年の開催は、春が4月18日・19日、秋が10月11日・12日の予定。掘り出し物の一点ものを狙うなら、開始時間の早い秋会場に朝いちばんで乗り込むのが鉄則です。駐車場は両会場とも余裕がなく、渋滞も発生するため、JR多治見駅を拠点に電車+無料シャトルバスで動くのが賢い立ち回り。器は想像以上に重くなるので、丈夫なエコバッグと、場合によっては帰りの宅配発送も検討しておきましょう。
まずは公式サイトで最新の日程と当日の駐車場・シャトルバス情報をチェックすることが、失敗しない第一歩です。器選びに慣れてきたら、志野や織部といった様式の違いを意識して選んだり、永保寺やモザイクタイルミュージアム、市之倉のイチノクラフト市まではしごしたりと、多治見の奥深いやきもの文化を一日かけて堪能してみてください。あなたの食卓に、多治見で選んだお気に入りの一枚が加わりますように。
たじみ陶器まつり公式サイト/多治見市公式ホームページ/多治見商工会議所 ※最新の開催情報・日程は公式サイトで必ずご確認ください。

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